カラギナン からぎなん

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用途:増粘安定剤
主な使用食品:しゃぶしゃぶのたれ、豆乳、ドレッシング、スープ、ソース、ゼリー、乳飲料、果実飲料、デザート食品など
表示名:カラギーナン、カラギナン(他の天然の増粘安定剤と一緒に使われると、「増粘多糖類」という表示が可能)

増粘安定剤とは、「水に溶解又は分散して粘稠性を生じる高分子物質」のことで糊料とも呼ばれます。
増粘安定剤は使い方によって、少量で高い粘性を示す場合には「増粘剤」、液体のものをゼリー状に固める作用(ゲル化)を目的として使う場合には「ゲル化剤」、粘性を高めて食品成分を均一に安定させる効果を目的として使う場合は「安定剤」と呼んで区別します。

カラギナンは、紅藻類のスギノリ科アイリッシュモス、ミリン科キリンサイ、イバラノリ科イバラノリなどの藻体から水で抽出して得られます。主成分は、ガラクトースとアンヒドロガラクトースなどからなる多糖類です。

ラットに発がん物質をあたえた上で、カラギナンを多量に含むエサをあたえた実験では、結腸腫瘍の発生率が高くなりました。逆に発がん物質をあたえずに、カラギナンを含むエサだけをあたえた場合、ラット1匹に結腸の腺腫(良性の腫瘍)がみられました。
これらの実験から、元々疾患をもっている場合に、カラギナンを多量に摂取することで、その疾患を悪化させる可能性があるということが分かります。

幼児がカラギナンを経口摂取した場合には危険性が示唆されています。イギリスでは、免疫に副作用がおこる可能性があるということで、使用を避けることが推奨されています。

前述のとおり、カラギナンのような天然系の増粘安定剤を2種類以上組み合わせて使用したときは、詳細な添加物の名称を記載する必要はなく、「増粘多糖類」という名称でまとめることが認められています。この表示ルールの背景としては、名称が長すぎて、全て表示させようとすると表示欄に書ききれないという事情があるためです。一目見てわかりやすい表示であるのは事実ですが、消費者にとっては、増粘多糖類の中のどの添加物を使用しているか不明であるのもまた事実なのです。

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