酸化ストレス検査
酸化ストレスによる体の傷つき具合と、それを防ぐ抗酸化力のバランスを総合的に評価する検査です。
この検査の特徴
・酸化による老化や病気に備えるための検査です。
・体のサビつき度、細胞や分子の損傷度を調べます。
・酸化に対抗し体の損傷を消去する力を測ります。
内容の説明
酸化ストレスとは、「生体の酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れ酸化状態に傾き、整体が酸化的障害を起こすこと」です。
体内に取り込まれた酸素は赤血球により細胞へと運ばれ、脂肪や糖分を燃焼してエネルギーを発生させます。 その際に消費された酸素の約2%が、活性酸素・フリーラジカルとなります。
この物質は酸素の数十倍の抗酸化力を持つと言われていますが、体内ではこれがストレスとなり「酸化ストレス」状態になります。
活性酸素は、様々な病気のリスクを高めるばかりでなく、老化を加速させてしまうと考えられています。 健康であれば抗酸化物質や抗酸化酵素が過剰な活性酸素・フリーラジカルをある程度消去しますが、消去が追い付かなくなると細胞が損傷をうけて老化やあらゆる病気を引き起こすのです。
アルコール、タバコ、暴飲暴食、激しい運動、肥満、添加物、農薬、紫外線、環境汚染、薬剤、ストレスなど、私たちは常に活性酸素の攻撃にさらされていますが、身体の防御反応として体内抗酸化物質(SOD、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、ビリルビンなど)が、食事からのビタミンCやビタミンE、ポリフェノールといった抗酸化栄養素と力を合わせて活性酸素を消去しています。加齢により細胞の修復機能は低下しますのでより注意が必要です。
酸化ストレス検査は、生体内の活性酸素やフリーラジカルを直接測定するのでなく、それらにより生じた中のピドロペルオキシド(ROOH)濃度を呈色反応で測定し、体内の酸化ストレス度の状態を総合的に評価するものです。また、この検査は同時に抗酸化力も測定します。生体の血漿には、活性酸素・フリーラジカルに対抗する抗酸化物質が多く存在します。内因性抗酸化物質はアルブミン、トランスフェリン、セルロプラス、ビリルビン、尿酸、還元グルタチオンなどがあり、外因性抗酸化物質にはトコフェロール、カロテン、ユビキノン、アスコルビン酸、メチオニン、フラボノイド、ポリフェノールなどがあり、これら酸化に対する抗酸化力を総合的に評価します。
酸化ストレス度の低い人が必ずしも抗酸化力が高いとは限りません。同様に酸化ストレス度が高い人が、抗酸化力が低いとも限りません。生体のマイナス面(酸化度)とプラス面(酸化防止力)の両方を測定することで、より正確に体の状態を把握できます。
この検査は採血によりおこなわれます。ごくわずかの血液から、身体の酸化の状況と抗酸化力を測定(数値化)し、テストの結果がグラフとなって評価されます。検査結果は2-3週間後。
おすすめポイント
・検査が簡単。採血のみで、食事制限などもありません。
・身体の酸化の状況と抗酸化力を数値化し、そのレベルが示されます。
大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター
日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)
免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。
またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。