常食  じょうしょく

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定義

常食とは健康な人(健常人)が通常の食生活で食べている食事や、それに近い食事のことです。例えば交通事故にあい足の骨折のみで入院している高校生の患者へ対しての食事の内容が減塩食や低たんぱく食、お粥、おかずを細かく刻んだ食事である必要はありません。高校生が通常の食生活で食べている形に近いご飯や形あるおかずが常食として提供されます。
常食は性別および年齢別、身体活動レベルを考慮し、その人にあった適切なエネルギー量、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルを過不足なく含み、その人の栄養状態を維持、改善し、全身状態を良好に保つ食事です。
また、一般家庭のおける常食は地域や家庭で大きく違ってきます。
例えばカレーの具である野菜や肉をごろごろ大きいまま使用して作る家庭もあれば、キーマカレーのように食材すべてを細かく刻む家庭もあります。
東北地方だと夏場に収穫した食材を塩漬けにして冬場をしのいだ歴史から、現在も食塩を使った保存食が多くあります。その他にも海に近い、山に近い、水田が多い等様々な環境の違いで各地域の常食はおおきくかわってきます。塩分摂取が多いため、東北地方では高血圧症を発症する人が多く、肉や卵、海が近いなどたんぱく質が豊富に取れる地域では高脂血症を発症する人が多いといわれています。

常食の位置付け

食は我々が生きていく上でとても重要となる食事となります。毎日の食生活、家庭料理、外食、給食等で健康な人であれば毎日必ず摂取している食事となります。
常食は人間が生きるために必要なエネルギー源として身体を構成するために食べる食事です。
逆に病気の治療の一環としてたんぱく質や塩分等を制限する食事を療養食といいます。
常食は病院内の療養食の献立を作成する際の規準となる食事となります。
反対に災害や紛争などの非常事態により、通常の食糧供給が困難になった際に活躍する食糧のことを非常食といいます。
日々の食生活はその人の健康や生活の質に密接に関わっているものであり、健康面では適切な量や味付けを正しく理解し摂取することが重要となってきます。
また、飽食の時代へ突入して以降、肥満による生活習慣病や過度なダイエットによる摂食障害等の様々な食の問題点が取り沙汰され、人々の幼少期からの食教育の重要性への関心が高まっています。2005年に設立した食育基本法においては、生きるための基本的な知識であり、知識の教育、道徳教育、体育教育の基礎となるべきもの、と位置づけられています。
食育は【食育によって国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むこと】を目的としています。

常食の対象者

摂食、咀嚼、嚥下、消化吸収機能が正常な方を対象とする食事で食材の大きさは一般的な大きさと硬さです。

常食の注意点

常食とは健康な人(健常人)が通常の食生活で食べている食事や、その食事に近いもののことと説明しましたが、毎日ファーストフードを食べている人やご飯のかわりにスナック菓子を食べている人の食事がその人にとって適切な常食であるわけではありません。
適切な食事量は性別および年齢別、身体活動レベルを考慮し、その人にあった適切なエネルギー量、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの食事摂取基準からだいたいの目安を算出することができます。
これは健康増進法(平成14年法律代103号)第30条の2に基づき、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準を厚生労働大臣が定めるもので、5年毎に見直しされ改訂が行われています。

食事摂取基準は健康な個人または集団の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的としています。
食事摂取基準は絶対の指標ではなく、あくまでも目安となるものです。消化管吸収率など様々な個人差がありますので、自分似た年齢、同性別、身体活動レベルの人が自分と全く同じ食事摂取量であるとはかぎりません。季節や環境の変化、ストレス、体調等でも大きく左右されます。
自分にあった食事量がわからず、体重の増減で悩んでいる場合は体調、体重の自己管理をもとに定期的な健康診断時に医師に相談してみることをおすすめします。
常食は人が生きていく上で必要なエネルギーであると同時に、ストレス解消、コミュニケーションツールとしてもとても重要なものです。
食事は生まれたときから我々の側にあり、身近な存在ではありますが、健康な心身をつくる上でなくてならない存在です。薬は取扱説明書の添付文書がありますが、食事にはないため、忙しい毎日でおろそかにしがちなものですが、たまに服用する薬より毎日必ず摂取する食事、常食について我々は良く考え選択し日々摂取する必要があります。

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