脂質はどのように吸収されるのか ししつのきゅうしゅう

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食物に含まれる主な脂肪はトリグリセリド(中性脂肪)です。トリグリセリドはグリセロールと脂肪酸で構成されており、脂肪酸の大部分は炭素数の大きい長鎖脂肪酸(ちょうさしぼうさん)です。炭素数が810の小さな脂肪酸は中鎖脂肪酸(ちゅうさしぼうさん)と呼ばれています。

脂質の吸収

食事中に含まれる脂肪の大部分は炭素数の大きい長鎖脂肪酸からなるトリグリセリドです。長鎖脂肪酸の消化吸収には胆汁酸(たんじゅうさん)が必要です。トリグリセリドは、膵酵素(すいこうそ)のリパーゼによりモノアシルグリセロールと脂肪酸に分解され、モノアシルグリセロールと脂肪酸は胆汁酸から作られた小滴(ミセル)内に取り込まれます。このミセルを形成することで、水に溶ける親和性が高まり、小腸の吸収上皮細胞からの吸収が可能になります。

ミセルとして小腸上皮細胞に吸収されたモノアシルグリセロールと脂肪酸は、再びトリアシルグリセロールになり、キロミクロンという輸送体の中に封入されてリンパ管へ放出されます。その後、リンパの流れに乗って腹部、胸部、さらに左頸部下から鎖骨下静脈、心臓を巡って動脈に移り全身へ運ばれます。このキロミクロンは水に溶け、リンパ液、血液の両方になじむのでこのシステムが可能になります。

一方、トリアシルグリセロールのうち、脂肪酸が中鎖脂肪酸であるものは、リパーゼによる分解が容易なので、ミセルを形成しなくても、胆汁酸の助けを借りてそのまま小腸上皮細胞に吸収されます。吸収された中鎖脂肪酸は、門脈血中に放出されて肝臓へ向かいます。このように長鎖脂肪酸と比べて、中鎖脂肪酸はすぐに肝臓へ届くため、体脂肪になりにくいと言われています。

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