生理的エネルギー値 せいりてきえねるぎーち

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生理的エネルギー値

先程の項目でもあったように、私たちが食事から得たエネルギーは、そのまま100%を体内で利用できるわけではありません。また、実際のエネルギー量と理論値がどの程度違っているのかを測定するのは様々な難しいポイントがあります。それぞれの食品の中に含まれている栄養素は、食品ごとに吸収率や代謝効率が異なっているため、1つ1つに対して実験を行うのは現実的ではありません。そこで、実験の手間をできるだけ省いて、計算だけでエネルギーを求めるための仕組みがあります。これをエネルギー換算係数といいます。

エネルギー換算係数は、食品群ごとに一般的な食品をいくつか選び出し、それらについて「体内でどれだけ利用されているか」の割合を求めたものです。
(実質利用できるエネルギー) = エネルギー換算係数 × 実験で測定した理論値
エネルギー換算係数にはいくつかの種類がありますが、一般的に用いられているのは、「アトウォーター(Atwater)のエネルギー換算係数」と呼ばれるものです。
これは、ラブナーとアトウォーターの研究によって算出された係数で、ヒトにおける消化吸収率の平均は、タンパク質が92%、脂質が95%、炭水化物が97%となっています。この中で、タンパク質だけが他の2つに比べて低い数値担っていますが、これは、タンパク質の一部が尿素や尿酸として尿の中に排泄されることでエネルギーを損失することに基づいています。この換算係数を用いると、実質の生理的エネルギー値は、たんぱく質が4kcal/g、脂質が9kcal/g、炭水化物にが4kcal/gと算出されます。

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