咀嚼と嚥下 そしゃくとえんげ

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

咀嚼(そしゃく)は食べ物をかみくだいて唾液と混合させることをいいます。
嚥下(えんげ)とは、いわゆる「飲み込む」行為です。食塊(食べ物の塊)を舌、咽頭、食道などを互いに作用させ、胃に運ぶことをいいます。

咀嚼運動は食べ物の味や食感を楽しむことができますが、これは三叉神経や顔面神経を通じて脳幹から大脳へ情報が伝えられ「食べ物認知」できるからです。
つまり「これは食べ物だ」と認識し、「美味しい」と感じることで食べ物を飲み込むことにつながる重要な働きをしているのです。

食べ物ではないものや、「まずい」と感じるものは唾液も分泌されませんし、咀嚼も嚥下もできません。
人がスムーズに消化吸収機能を行うことができるようにする補助機能と言えます。

嚥下は口腔期、咽頭期、食道期の3期に分かれています。

口腔期

舌が口蓋(前歯の裏)にしっかり押し付けられ、唇を閉じ、舌を動かすことで食塊を咽頭(喉の奥)に送り込む段階を示します。

咽頭期

咽頭期は嚥下反射そのものです。咽頭に食べ物が移動したら軟口蓋(鼻腔へ食べ物が逆流しないように蓋を閉めるような役割の器官)が閉まります。
食塊を食道へ押し出す力が生じて、食道入り口部が開きます。
喉頭蓋が倒れて咽頭(気道)を閉鎖して、本来食べ物の通り道ではないところへ食べ物が入ってしまう(誤嚥)ことがないように閉鎖します。

食道期

食道入り口を通過して、食塊が食道に入ると食道筋の蠕動運動によって食べ物は胃に運ばれます。また、胃食道逆流を防止します。

食べ物の通り道は、空気(発声、呼吸)の通り道でもあります。

鼻に食べ物が逆流しないよう蓋をして呼吸を停めた状態にして、その隙に食道入り口を開けて、食塊が食道を通過できるようにします。

これのような複雑な過程が連続して行われているのが「嚥下」です。

関連するカテゴリ

関連する記事はこちら