フッ素 ふっそ

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フッ素とはどのような物質?

フッ素は歯磨き粉のCMなどでよく聞く名前だと思います。フッ素の主な働きは、歯の健康を保つこと、虫歯予防など歯に関することなのでそれも納得ですね。1974年、WHO(世界保健機構)とFAO(食糧農業機関)は「ヒトの栄養所要量の手引き」を発行しており、そこでフッ素は必要栄養素として指定されています。必要栄養素ということで、それが不足すると健康を保てなくなることを指していますね。このことからも、フッ素が私たちの健康に深く関わっていることがわかります。

フッ素という元素の特徴

フッ素は原子番号9の元素であり、地球上いたるところに存在する元素です。そのため、私たちが普段から飲んでいる水や食べ物のほとんどにフッ素が含まれています。とても身近な元素の一つだといえますね。

フッ素の特徴として、単体では存在しないというものがあります。フッ素は非常に強い酸化作用があるため、単体で存在することはほとんどなく、他の元素と化合したフッ化物という形で存在しています。

フッ素の効果・効能は?

フッ素の効果は骨や歯をつくる手助けをするという事です。フッ素は、骨や歯をつくる石灰化には欠かせない物質です。ここでは、フッ素がどのように歯の健康を保っているのか見ていきます。 

フッ素が虫歯予防に働くメカニズム

フッ素が虫歯予防に働くメカニズムは以下のようなものがあります。

酸の産生を抑制する効果

歯磨きによって落とし切れなかったプラークが酸を作る事によって虫歯はできます。フッ素によって、プラークが酸を作る働きを弱めることができます。

再石灰化の促進する効果

歯から溶け出したカルシウムやリンの再石灰化を促進させます。歯は再石灰化によって作られており、より丈夫で健康な歯を作るにはフッ素の役目が重要です。

歯質強化

歯の表面を酸に溶けにくい性質にすることができれば、その歯は健康で丈夫な歯だという事ができます。フッ素の働きによって、歯の表面を酸に強い性質に変える事ができ、歯質強化が期待できます。特に、乳歯や生えたての歯は柔らかいため、フッ素による歯質強化が望ましいです。

フッ素の推奨摂取量はどれくらい?

フッ素の推奨摂取量は、成人男性で1日に3.8mg、成人女性で3.1mgとなっています。フッ素も他のミネラル類同様不足することも過剰に摂取することも好ましくありません。 

フッ素を過剰摂取してしまうと

他のミネラル類と同じように、フッ素を過剰摂取してしまうとフッ素中毒というものになってしまいます。フッ素中毒になると体に悪影響が見られる場合があります。世界的に見るとフッ素中毒は多くの報告があるのですが、日本ではフッ素を含む製品がそれほど普及していない事、管理が行き届いていることからフッ素中毒の報告は極めて少ないです。

フッ素中毒の症状は、軽いものであれば下痢や腹痛で、重篤な場合は低カルシウム血症や高カリウム血症を引き起こす可能性もあります。

もちろん、日常的な食生活を送っていればフッ素中毒になる事はありません。フッ素中毒になる可能性があるのは、誤ってフッ化物を溶かした水分を飲んでしまった場合や歯の治療でフッ化物に多く触れた場合のみです。

また、歯の発生期に過剰にフッ化物を摂取してしまうと歯牙フッ素症になる可能性があるため、幼少期に過剰なフッ化物に触れるのはおすすめできません。

関連するカテゴリ

関連する記事はこちら