マクロビ食 まくろびしょく

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マクロビオティックの定義

マクロビオティックとは、陰陽論という東洋の思想を取り入れた自然食中心の食生活のあり方です。広義には暮らし方や生き方なども含まれますが、特に重要となる食生活に焦点を当て、健康長寿を実現しようとする食事法がマクロビ食(マクロビオティック)です。

マクロビオティック(Macrobiotique)の語源は、ギリシャ語のMacro(大きい・長い)+Bio(生命)+Tique(術・学)を合わせた言葉で、「大いなる生命」、「長く生きる方法」(長寿法)という意味があります。

マクロビオティックの基本

① 東洋の思想には、万物は「陰」と「陽」という異なる性質を持つ2つの組み合わせやバランスによって成り立っているという考え方があり、これを「陰陽論」といいます。例えば、「天と地」、「男と女」、「昼と夜」、「大と小」、「表と裏」、「暖と寒」など相反する性質を持ちながらも、一体となり調和がとれると考えます。マクロビオティックも陰陽論に基づいており、食材には「陰」と「陽」の2つ性質があると考えます。例えば、砂糖は陰性、塩は陽性、野菜類や果物類は陰性、肉類や魚介類は陽性です。穀物はどちらにも属さない「中庸」の性質を持つバランスのとれた食材です。こうした食材の組み合わせやバランスを調整し、食生活によって、私たちの体や心の陰陽のバランスを保つことで健康を保ち、長寿を実現しようと考えるのです。

ただし、食材には絶対的な陰や陽というものはなく、食材の組み合わせや調理法によって食材が持つ陰陽は変化します。陰陽論の考え方では、調理とは食材の陰陽をはかってその調和を整えるという意味があります。※陰陽表を入れることができれば、もっと分かりやすくなります。

② マクロビオティックには「身土不二」(しんどふじ)と「一物全体」(いちぶつぜんたい)という基本理念があります。身土不二とは本来は仏教用語ですが、私たちの体は住んでいる土地とは切り離しては考えられない、という意味です。その土地で採れた食べ物などを中心とした食生活を送ることが体に良いと考えます。次に、一物全体とはまるごと全部という意味です。野菜でも皮や葉、根までまるごと食べたほうが栄養価が高い場合もありますし、魚であれば頭から尻尾まで、穀物であれば精白しないほうがビタミンやミネラルが豊富に摂れます。食材をできるだけ、まるごと全部食べることで、食材が持つすべての栄養素を残らず摂るという考え方もマクロビオティックの基本です。

マクロビオティックの実践

マクロビオティックの食事法は、陰陽のバランスがとれた食生活によって、体や心のバランスを調和させ、安定した状態を保つことが目的です。マクロビオティックでは、体の不調や病気は体の陰陽のバランスが崩れていることに根本的な原因があると考え、食事法によってそのバランスを調整します。その際、身土不二と一物全体という基本理念を合わせて食事法を実践することが大切です。マクロビオティックの食事法を実践するには、次の7項目を心掛けることが大切です。

主食と副食の割合は6:4、できるだけ白米ではなく玄米を主食にしましょう。マクロビオティックでは中庸の性質がある玄米をしっかり食べます。苦手な場合は発芽米や雑穀米や胚芽米でも構いません。

その土地で採れた旬の素材をまるごと食べましょう。できるだけ農薬や化学肥料が使われていないオーガニックの作物を選びましょう。また、地産地消、流通経路が短いほうが新鮮です。

調味料を使い過ぎず、素材から自然なうまみを引き出します。良い素材には天然のうまみが凝縮しています。野菜は蒸し煮や重ね煮にするとうまみや栄養が凝縮します。砂糖や化学調味料は陰性の食品に該当するため、少量でも陰陽のバランスが崩れやすくなります。

豆類は畑のお肉、豆類からタンパク質をしっかり摂りましょう。決して肉を食べてはいけないわけではありませんが、できるだけ陰陽のバランスが良い豆類からタンパク質を摂りましょう。納豆、豆腐、高野豆腐、湯葉、味噌など古くからある伝統食材は、身土不二の理念にも適っています。

水にも陰陽があります、水にこだわりを持ちましょう。人間の体のおよそ70%は水分でできています。飲料水はもちろんのこと、玄米を炊く、食材を洗う、野菜を茹でる、味噌汁に使うなど調理に使う水も大事です。天然水や湧水など自然の浄水を使用するのが理想ですが、浄水器で浄化した水でも良いでしょう。外国の硬水には陽の性質があります。

刺激のある食べ物は控えましょう。香辛料の強い食べ物、渋いもの、苦いもの、脂っぽいものなど刺激の強い食べ物や食材は陰陽のバランスを崩す元になります。アルコールやコーヒーも控えるようにしましょう。

自分の体に耳を傾け、体が欲するもの、喜ぶものを食べましょう。マクロビオティックは自分自身の体や心の状態を、食材や食生活の力を利用して安定、回復させることが目的です。そのバランスを調整するには、突き詰めれば自分の体に耳を傾け、自分自身で調整していくしか方法はありません。ただ食べるのではなく、体や心との対話が何より大切です。

マクロビオティックの効果

マクロビオティックによって得られる効果は人それぞれに異なります。しかし、陰陽論では体の不調や症状は、陰と陽の偏りによって生じていると考えられるため、人や症状の違いに関わらず、自分が抱える体や心の悩みや不調が全般に改善することが多く見られます。西洋医学の局所的な治療ではなく、中医学(東洋医学)の考え方に近いといえるでしょう。人それぞれ、体質そのものに違いがあるため、一概にはいえませんが、体の状態が陰に傾いている「陰性過多」の人は、冷え性、低血圧、生理痛、生理不順、肩こり、下痢、軟便、太りやすく痩せにくい、いつも体がだるい、めまい、頭痛、むくみ、偏頭痛、憂うつ感などの症状に改善が見られます。比較的、女性に多い症状の改善に効果が見られます。

一方、体の状態が陽に傾いている「陽性過多」の人は、慢性疲労、胃痛、胃もたれ、消化不良、肝臓障害、便秘、汗かき、体がほてる、体臭が強い、二日酔いをしやすい、いつもイライラしている、顔が赤黒いなどの症状に改善が見られます。比較的、男性に多い症状が改善する傾向があります。

注意点

マクロビオティックは体の陰陽の状態と、食材などが持つ陰陽を掛け合わせて効果が現れるものです。そのため、体と食材のそれぞれの陰陽の判断を間違えてしまうと、逆効果になる恐れもあります。マクロビオティックの初心者は専門家などのアドバイスなどを受けながら実践したほうが安心です。また、陰陽を見極めるだけでなく、極端に偏った食事を改善するだけでも、陰陽のバランスが中庸に近づくため、効果につながると考えられます。マクロビオティックは、今日食べたからといって明日効果が現れるというものではありません。自分の体や心と相談し、対話しながら、そして楽しみながら気長に実践すること大切です。

参考文献

  • 『マクロビオティック料理事始め』岡田昭子・著
  • 『マクロビオティックを始めるための本』Yogini編集部
  • 『マクロビオティック美味しいレシピ98』大森一彗・著
  • 『マクロビオティック健康診断法』久司道夫・著

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