断食 だんじき

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定義

断食とは読んで字のごとく「食事を断つ」ことです。本来は3日以上、食事を断つ本断食のことを指しますが、体への負担が大きく専門家などの指導を必要とするため、最近では半日~2日程度、食事を断つプチ断食(ソフト断食)を行う人が増えています。また、断食というと高層が行う難行苦行のように思われるかもしれませんが、ここでいう断食とは無理や我慢をして行うものではなく、誰でもできる体の養生法といえます。

断食の意義・目的

「腹八分目に医者いらず、腹十二分目に医者足らず」といわれるように、多くの病気の原因は食べすぎにあるといっても良いでしょう。いつでもどこでも、好きなだけ食べられる飽食化した今日では、つい過食になってしまうのも無理はありません。過食の食生活が習慣化すると胃腸には常に食べ物がある状態となり、消化吸収に関わる臓器には休む暇がありません。消化不良を起こしたり、食べたものがきちんと排泄されずに、体内に溜め込まれる状態が続くため、毒素や老廃物などが排出されず、体内に拡散していきます。また、胃や肝臓を働かせるためには多くの血液が必要となります。全身の血液が体の中心に集まるため、血流が滞り、末梢に血液が十分に行き届かなくなることも、体調不良や病気が起こる原因となります。それだけでなく、過食により血糖値や中性脂肪、コレステロールなどが常に上昇し、糖尿病、脂質異常症、高血圧など生活習慣病を引き起こします。狭心症、心筋梗塞、脳血管障害など命にも関わる病気を引き起こす元凶になるのです。断食というとダイエットが目的というイメージが強いかもしれませんが、断食の目的は飽食による臓器の疲れを取り、体内の余分な澱(おり)や老廃物を排出し、本来の健康な状態を取り戻すことにあるのです。

断食の実践

断食の実践するにはさまざまな方法がありますが、無理をすると体への負担が大きいため、1食断食、半日断食など比較的簡単に始められる方法から試したほうが良いでしょう。半日断食は朝食を抜き、前日の夕食から当日の昼食まで18時間程度、何も食べない断食の方法です。例えば、夕食を18:00に摂った場合、次の日の昼12:00に昼食を摂れば、18時間の断食となります。夕食が19:00であれば、13:00に昼食を摂ります。誰でも夕食を食べてから朝食を食べるまで、夜食などを食べなければ断食をしている状態といえます。その状態をもうすこし続けるイメージで行えば良いのです。朝食のことを英語で“Breakfast”といいますが、これは“fast”(断食)を“break”(破る)という意味です。また、朝食を抜くのは体に良くないといわれますが、朝起きてお腹がすいているわけではないのに朝食を食べる人は多いものです。断食の考え方は、お腹がすいていないのは人間の本能が食事を拒絶している状態だと考えます。胃腸や肝臓などがたった一晩では、十分に休息できていないから食欲が湧かないと考えるのです。ただし、断食は絶食ではないため、朝食を摂らない替わりにすりおろしたリンゴ、ニンジンジュース、野菜ジュース(無塩)、しょうが紅茶、ヨーグルトなどを少量摂っても構いません。消化吸収に負担がかかる固形の食べ物を摂らないようにするのが断食と考えれば良いのです。このようにして半日、1日、1日半、2日と少しずつ断食の日数を長くしていけば、胃、腸、肝臓、すい臓、腎臓などの臓器が十分に休まり、本来の働きを取り戻し、健康な体と心に変わっていくのです。

断食の効果

断食にはさまざまな効果がありますが、主に次の5つの効果が得られることが実証されています。

① 内臓が休息する……断食の目的は過労している内蔵を休息させることにあります。体内の臓器はそれぞれがつながっているので、胃腸など消化器系の臓器の負担が減ることで五臓六腑も休息でき、体全体の機能が回復していきます。

② 血液が浄化する……食事から糖や脂質が入ってこなくなれば、血中の糖質や脂質を燃焼させてエネルギーを作ることになります。そのため、体内の余分な糖や脂質、コレステロールなどの代謝が促進され、血液がサラサラになります。高血糖、脂質異常症、高血圧など生活習慣病の予防にもつながります。

③ 排泄が良くなる……断食をすると食物摂取が断たれるため、体内の毒素や老廃物がスムーズに排泄されるようになります。尿や便の出が良くなり、体全体が浄化されていきます。デトックス効果が生じるともいえます。

④ 肌がキレイになる……「肌は内臓の鏡」といわれますが、胃腸が弱っている時は肌荒れや吹き出物など肌トラブルが起こりやすいものです。断食によって内臓のストレスが解消されると血行が促進され、肌の新陳代謝が良くなり、美肌効果が生じます。

⑤ 免疫力が上がる……断食によって血液中のアンモニアなど毒素の排出が促進すると肝機能が向上し、有害な活性酸素を除去する力が高まります。自己治癒力が高まり、がん細胞など病的細胞の発生を抑制する免疫力が高まります。

⑥ 脳が活性化する……断食は身体面だけでなく、精神面にも良い影響をもたらします。断食中は脳がリラックスした時に発生するα波の出現が多くなります。肉体的なストレスが軽減され、自律神経やホルモンバランスが良くなることが、精神的なリラックス効果を生み出すのです。

⑦ ダイエット効果……断食はダイエット効果もてきめんです。断食によって必要最小限の栄養だけを欲するようになり、空腹感を感じにくくなります。空腹に対するストレスが少なくなり、本来食べる必要のない食べ物を口にしなくなるため、体重が減りスマートな体つきになります。

注意点

断食は急激に行わず、体調を見ながら少しずつ行いましょう。特に断食明けの食事はお粥やうどんなど消化の良いものを少しずつ食べましょう。また、医師の治療を受けている場合医師に相談してから行って下さい。

参考文献


  • ソフト断食と玄米植物食』藤代博・藤代寿美子・著
  • 『プチ断食ダイエット』いしはらゆうみ・著
  • 『食べる出すときどき断食』畠山さゆり・著
  • 『断食』滝泰三・著

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