回虫 かいちゅう

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特徴

・長い円柱状の虫体で大きさは雄140~220mm、雌200~300mmです
・人の小腸内に寄生します
・成熟するまで約2ヶ月かかります
・成虫の寿命は10~12ヶ月です
・経口摂取後の虫卵は小腸上部で孵化(ふか)し、幼虫は腸壁に侵入します
・血管を通じて肺から気管支、気管を通って小腸に戻って成虫になります
・人の腸内で産卵後、体外に排出された受精卵は好条件下で卵分割をはじめ、約2週間で卵殻内に幼虫が形成されます
・幼虫が形成された成熟卵(幼虫包蔵卵)が人の手指や野菜などに付着して、口から摂取され感染します
・昭和20年代の検出率が全国民の70~80%にみられましたが、昭和50年代には1%以下になりました
・寄生虫予防法に基づく集団駆虫および化学肥料の普及、下水道などの衛生環境の整備が整ったことにより減少しました
・有機野菜の普及により、平成に入ってから回虫による感染症が発生しています
・犬、猫、牛、豚、馬など哺乳類からも感染します

原因食品

・サラダなどの生野菜です
・回虫が寄生した鶏のササミや肝臓の生食による感染もあります
・水洗いが不十分な有機野菜の生食です

主な症状と潜伏期間

・幼虫による病害としては一度に多数の幼虫包蔵卵を摂取した場合、幼虫の体内侵入時または体内移行時(肺循環)に一過性の回虫肺炎などを引き起こします
・成虫による病害としては、寄生虫体数が少ない場合、上腹部鈍痛、食欲異常、悪心、嘔吐などの消化器症状を引き起こします。その他、頭痛、めまいなどの神経障害が現れます。
・成虫が胆嚢や膵管、脳などに侵入すると、胆嚢炎や膵臓炎、脳膜炎様症状を引き起こすこともあります
・治療は抗蠕虫薬の服薬です。ただし胎児への影響があるため、妊婦には使用できません

予防方法

・野菜の生食は避けます
・とくに人糞を肥料として使用する地域では、非加熱調理は避けます
・食べ物を扱う前に手指をしっかりと洗います
・野菜(特に葉野菜)や果物は食べる前に全て洗浄し、皮をむいて、加熱調理(中心部まで)をします
・レバーの生食は避けます
・回虫卵は乾燥、薬品にも強いので、洗うことが重要です

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