多糖類 たとうるい

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多糖類とは、11個以上から数千個の単糖類が結合した炭水化物のことです。グルコース(ブドウ糖)だけがいくつも結びついて構成されている単純多糖類と、2種類以上の単糖類が結合して構成される複合多糖類があります。

基本となる単糖類が同じでも、その結合方法や分子量、結合の形状によって、多糖類はそれぞれ全く違う性質・働きを持ちます。

たとえばデンプンとセルロースは、それらを構成する基本の単糖はグルコースです。デンプンは、体内で分解されてエネルギーとなりますが、セルロースは体内では分解されない食物繊維です。

体内で分解される多糖類は、貯蔵エネルギーとして非常に重要で、生体はわざわざエネルギーを使って、グルコースから多糖体(植物の場合にはデンプン、動物ならグリコーゲン)を合成しています。

その理由は、もし単糖類の形で貯蔵エネルギーとして蓄えてしまうと、グルコース分子の数が増えるため、細胞内は非常に高い浸透圧になってしまうからです。浸透圧が高くなれば、細胞内に水分が大量に流入して細胞がどんどん膨張し、ついには破裂してしまいます。つまりエネルギー源として単糖類のままで体内にたくさん貯蔵するのは難しいのです。しかし、同量のグルコースでも、ひとかたまりになった高分子の多糖類にしたうえで蓄えれば、浸透圧の上昇があまりないので、細胞内に大量に蓄えておけます。

多糖類の中には、セルロースやキチンのような食物繊維で水に溶けないものがある一方で、デンプンやグリコーゲンなどは非常に親水性が高く水に溶けやすい特徴があります。

また水に溶けるとゲル状になる多糖類もあり、食品添加物として利用されて安定剤として用いられたり、食品にとろみをつけて食感をよくしたり嚥下しやすくする目的でも使われます。

このような特徴を生かし、多糖類は繊維、製紙、化粧品や歯磨き剤などの日用品や医療品などにも広く用いられています。

代表的な多糖類

デキストラン

グルコースのみが数千個以上つながった粘液性の多糖類です。血漿増量剤や保湿剤として使われるほか、食品の分野では食品手化物や飴などの粘性・接着性に利用されます。

セルロース

3000個から10000個のグルコースが長い鎖状に重合した天然の高分子で、植物細胞の細胞壁や、食物繊維の主成分です。地球上の有機物の50%以上を占めているといわれる多糖類です。

グリコーゲン

動物のエネルギー源として肝臓に蓄えられる多糖体です。糖質を摂取すると、その大部分は胃腸で消化されて腸壁からグルコースとして血中に浸透しますが、血中の糖濃度を一定に保つために、過剰に摂取したグルコースは、グリコーゲンに生成して貯蔵エネルギーとなり、肝臓に蓄えられます。

でんぷん・デキストリン

植物が光合成によって根茎や葉、種子に蓄えたグルコースの多糖類がでんぷんです。コメやトウモロコシ、じゃかいもなどの主食類に多く含まれています。このでんぷんを摂取後、酵素によって加水分解してできるのがデキストリンです。でんぷんを含む食物を加熱すると、デンプンの細胞膜が壊れて分解され、消化しやすい形状のデキストリンや二糖類のマルトースになります。

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