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低コレステロールを放置するとがんになる?

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編集部W
コレステロールが正常値よりも低いと指摘された女性が、そのまま放置しても良いのかというご質問いただきました。北海道に在住の40代の女性です。

Dr.ピエール大友(イシペディア編集長)
外来をしているとコレステロールの話は常に話題になりますね。やはり気にされていることが多いかと思います。
コレステロール問題について考えるときには二つの視点が必要だと思います。まずは総コレステロールの値が高いのか低いのかということ。もうひとつの側面はコレステロールの種類、いわゆる悪玉、善玉がどのような比率なのかということに注目しています。

編集部W
コレステロールが高いと指摘される方は少なくないと思いますが、ご質問いただいた女性のようにコレステロールが低いと指摘されている方は多いのでしょうか?

Dr.ピエール大友
コレステロールが低い方というのは実は結構いらっしゃいます。

編集部W
私は初めて聞きました。なぜあまり話題にならないのでしょうか?

Dr.ピエール大友
それは…コレステロールを上げる薬がないからではないでしょうか(笑)。

それは半分冗談としても、実はコレステロールが低いことはあまり放置すべき問題ではありません。というのも総コレステロールの値が低いことは死亡リスクを高めることと関連があるとされているからです。

編集部W
コレステロールが低くても死亡のリスクが高くなるわけですか?総コレステロールが高い時は確か血管が詰まりやすいと聞いています。

Dr.ピエール大友
コレステロールが高いと動脈硬化が起こりやすくなるため、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などの病気が起こりやすくなりますね。そうした場合はコレステロールを下げるお食事をするとかお薬を飲むなどの対策をとっていると思います。


編集部W
コレステロールが低いとどういった病気になりやすいのですか?

Dr.ピエール大友
コレステロール値が低いとがんによる死亡リスクは高くなるということが報告されています。他にも感染症による死亡のリスクが増えることも取り沙汰されています。

編集部W
がんになりやすくなったり、感染症になりやすくなるということは免疫力に関係するのですか?

Dr.ピエール大友
それはなかなか難しい問題ですね。一つ言えることはコレステロールというのは女性ホルモンや男性ホルモンなどのホルモンの原料になることが知られています。そのためコレステロールが低すぎるということはそうしたホルモンなどの働きにも影響を及ぼしている可能性があります。

編集部W
それではコレステロールを上げるために揚げ物とかをたくさん食べた方が良いということですか?それもなにか違う気もしますけど。

Dr.ピエール大友
コレステロールが低いことが問題なのか、病気になることによってコレステロールが下がっていくのかということはまだ議論が分かれるところです。例えば、がんの場合はがんになることでコレステロール値を下げている可能性があります。一般にがん患者のコレステロール値はがんの進行に伴って減っていくとされています。

編集部W
がんになったからコレステロールが減っていくということなのですか?

Dr.ピエール大友
そうした可能性もあります。ただ低コレステロールを招くような食生活による栄養不足、栄養の偏りはがんを誘発する可能性があると思います。

編集部W
定期検診でコレステロールが低いと指摘された場合は、まずは食事を見直す必要があるということですか?

Dr.ピエール大友
その通りですね。まずはお野菜をしっかり取ること。そしてお魚お肉の摂取量を増やしていくことがとても重要だと思います。

編集部W
おすすめのお野菜などはありますか?

Dr.ピエール大友
私はアボガドなどは低コレステロールの方には特にお勧めしています。

編集部W
アボカドって若者が好きな食べ物ですよね。

Dr.ピエール大友
若い人だけではなくてお年を召した方にもオススメしたいです。世の中の一般的なイメージではコレステロールは歳とともに高くなっていく現象があるかと思いますが、実は人間年をとるにつれて血中のコレステロール濃度は下がることが知られています。

編集部W
高齢者では低コレステロールに陥る可能性があるのですね。

Dr.ピエール大友
そうした意味では年齢に応じて食べる食材は変えていく必要があると思います。一般的にお肉の取り過ぎは40代から60代においては病気の観点からはお勧めできませんが、高齢者になるにつれてお肉をとることが重要になってきます。

編集部W
年齢ごとに、定期検診の検査結果を見ながらお食事を変えていくことが重要なのですね。

Dr.ピエール大友
その通りです。その時々の自分の体の状況にあったお食事を食べていくということが一番の健康法だと考えます。

編集部W
はい!ピエール先生、ありがとうございました。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

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