どじょうを食べながらデトックスについて考える
江戸前寿司と古酒の魅力
寿司「いずみ」さんの開店50周年記念古酒会に参加しました。
珍しく、ワインではなく日本酒を楽しむ機会を得ました。
初めて味わう平成11年ものの熟成古酒と夏酒、そしてお寿司は格別。この経験から、日本酒にも興味が湧いてきました。
20年熟成の身うるか(鮎の塩辛)やタコのはぎ煮など、気になるおつまみがたくさんありましたが、中でも驚きだったのは、どじょうの山かけでした。
初めていただく国産の天然物のどじょうは小さく、小さいほど良いとされていることも初めて知りました。
どじょうは有害金属を体内から排出するのを助ける
どじょうにはビタミンD、ビタミンB群、カルシウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。
実はこの組み合わせは有害金属を外に排出させるために必要なメタロチネインを構成する重要な栄養素となります。
海洋汚染が進み、水銀、ヒ素やプラスチックがお魚に含まれるようになっているのは皆さんご存知だと思います。メタロチネインはこうした物質をデトックスする可能性があることから、これらの栄養素を合わせて摂取することが大事です。
昔は天然物を食べれば安全という風潮がありましたが、現在では海中環境も変化し、必ずしもそうとは言えないのも事実。養殖も抗生剤漬けから安全な環境で育てられるものまで様々です。
どじょうも海外からの養殖ものはひどい環境で生育されているものもあるようで、一概にデトックスのためにどじょうを食べることを勧めることはできません。
寿司を食べる際には野菜が減りがちですが、食物繊維はこうした有害物質を腸外へ排出するため、一緒に摂取することが望ましいです。
この料理では山かけ(とろろ)が一緒なのが非常に良い点です。
有害なものを避ける時代は過ぎ去り、有害なものが含まれている前提で健康管理をしていかないと超高齢時代(認知症など)は乗り切れないのだと思います。
人生120年時代には必ずしやデトックスがテーマになってくることは間違いありません。
ふと昔の親方は今の海の現状を予測できたのかと思いながら、お店を後にしました。
寿司いずみ
東京都目黒区下目黒6丁目6−9
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ