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とり貝の正解は焼きか、揚げか、茹でなのか?

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 丹後とり貝の希少な旬と豊かな味わい

とり貝は水温が高くなると抵抗力が落ちて死亡してしまうため、本来の旬は5月ごろまで。つまりこの時期に立派なものが出回るのは「丹後のとり貝」に他なりません。

丹後とり貝を名乗れるのは、京都の海で丁寧に育てられた100g以上のものだけで、旬は5〜6月の約2ヶ月間のみ。しかも年によって漁獲量にかなりのばらつきがありレア度の高い代物です。

その最大の特徴は、一般的なとり貝のおよそ2倍にもなる大きさです。
肉厚で柔らかく、かといって大味になるわけではなく、独特の甘みを持つのは、周囲を山に囲まれミネラル豊富な水で育っていることによるものです

丹後とり貝は調理法や付け合わせによって、全く異なる表情を見せてくれます。例えば

  1. 茹でたものとスナップエンドウ(祇園やまぐち)
  2. 揚げたものとアスパラ(新橋 味享)
  3. 焼いたものをお寿司に(京都 天ぷら松)

などなど。

ナイアシン豊富なとり貝の健康効果

その豊富な栄養の中でこの時期に注目なのが、ナイアシン(ビタミンB3)

ナイアシンはエネルギーを作る栄養素で、女性ホルモンのエストロゲンや、男性ホルモンのテストステロンなどのホルモン生成にも重要な役割を果たしています。
ナイアシンは体内でも作れますが必要量には足りません。不足すると乳酸が溜まって慢性疲労状態につながることもあるので、食品からもしっかり摂ることをおすすめします。
また、ナイアシンは血流を増加させて酸素や栄養素の運搬を助けてくれるので、梅雨のせいで頭がボーっとするような時に摂ると脳の血流が良くなって気分が晴れるお手伝いにも。

そして女性の方で梅雨の湿気による髪のうねりに悩まされている方も多いと思いますが、ナイアシンが不足すると髪のタンパク質も減ってうねりやすくなることも覚えておいていただきたいなと思います。

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ     

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