

ダイエット中に食べるべきお魚は桜マス
桜マスの特徴とダイエット効果
春を感じさせる魚の一つである桜マスは、ダイエット中にも最適な食材です。
特に今回いただいた桜マスとホタテの海苔巻きは、酢飯が入っていないためダイエット中の身には嬉しい一品でした。
マスとサーモン・鮭の違いは、かつては淡水か海水かで区別していましたが、近年そういった分類ではまとめきれないと分かり、明確な区分がされないことが多いようです。
そして桜マスと言えば、よく勘違いされることが2つあります。
1つめは赤身の魚と思われがちだけど、分類的には白身魚だということ。
2つめはカロリーを気にして避ける人が多いけれど、実はダイエット向きだということ。
この2つを説明するポイントは、「アスタキサンチン」。
桜マスの身の色が赤いのは、オキアミなどのアスタキサンチンを多く含むエサを食べるから。
そしてこのアスタキサンチンには体脂肪の燃焼を助けて増加を抑制する作用があり、肥満防止やダイエットに効果的なのです。
アスタキサンチンとビタミンDが鍵!
桜マスが元気に川を遡上できるのも実はアスタキサンチンのお陰。
彼らは川を上る際に大量の紫外線にさらされ、体内に疲れの原因となる活性酸素が発生するのですが、それを除去してくれるのがアスタキサンチン。
その抗酸化力は自然界に存在する抗酸化物質の中でも際立っていると言われており、ビタミンEの約500~1000倍とも言われています。
更に、決して低カロリーではない桜マスがダイエット向きと言われる訳はもう一つ、ビタミンDの豊富さにあります。
桜マスに含まれる豊富なビタミンDには、血糖値を下げる助けをしてくれる他にも満腹ホルモンと呼ばれる「レプチン」を活性化させる働きがあります。そのため満腹感がアップし、食べすぎ防止に役立つのです。
今回のお料理では、ビタミンDが豊富な椎茸との組み合わせも素晴らしく、健康とダイエットの両面でメリットがありました。
ただし、アスタキサンチンは熱に弱い性質があるため、脂肪燃焼や抗酸化効果を期待する場合は、新鮮な状態でなるべく加熱せずに食べることをお勧めします。桜マスは美味しさだけでなく、その栄養価からもダイエット中の方や健康志向の方にぜひ取り入れてほしい食材です。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ