

江戸前寿司の名店で味わう特別なアンコウ鍋の魅力

環境への配慮が求められる深海の恵み
アンコウにクセが出る理由はもう一つあります。
水深500メートル近くの深海で暮らしているアンコウは、急激に引き上げると潜水病のように内臓が飛び出した状態で水揚げされることがあるといわれています。ヌメリの発生や十分な下処理ができなくなるのを避けるため、漁師が細心の注意と技術をもってゆっくりと水揚げした「活き」のアンコウは特別な存在です。
活きているからこそ、しっかりと熟成もでき、お刺身も艶やかで美しい仕上がりとなります。
アンコウは捨てる部分がほとんどなく食べることができ、それぞれの部位が独特の美味しさを持っているため、食用部分は「七つ道具」とも呼ばれます。身は低カロリーであり、抗酸化作用があるとされるミネラルのセレンを多く含みます。
肝には青魚と同様にDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が含まれ、コレステロール値を下げたり、血液をサラサラにする効果が期待出来ます。
一方で、深海には石油製品をはじめとした様々な汚染が進んでいるのも事実です。こうした有害物質は肝臓に蓄積されるため、今後も健康的なあん肝を楽しめるかどうかは分かりません。美味しい食文化をこれからも継承していくためには、消費者も環境について常に意識しながら生活していくことが大切です。

東京都目黒区下目黒6-6-9
創業から40数年の名店。
ひとたび足を踏み込むと、独特の世界観に魅了され、ここにしかない味わいと魅力を持ったお店です。
〔大友“ピエール” 博之〕
日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。
・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
・ 渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員
・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ