ニャンコでもわかる乳糖不耐症

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ニャンコ
私が乳糖不耐症か調べる方法はないの?
今日にでも検査してほしいんだけど。

DRピエール
乳糖不耐症の診断のためには、いくつかの優れた検査方法があります。
主な検査方法として、ラクトース除去食(食事からラクトースを取り除いて症状が消失することを確認する)、牛乳負荷試験(牛乳を飲むことで症状が誘発されることを確認する)、呼気水素試験(呼吸中に含まれるガス量を分析する)などがあり、これらの検査を利用して診断されます。この他、血液や便の検査、生検、遺伝子検査なども有用です。

ニャンコ
ニャンニャン。

DRピエール
でも自身が乳糖不耐症だと思っている人のうち、約20%は、実際には乳糖不耐症の診断にはならないことがあることは知っておいて欲しいんだ。

ニャンコ
なんで自身が乳糖不耐症だと思い込んでしまうの?

DRピエール
多くの人は、なんらかの症状があると、その症状を納得できるような原因を探します。乳糖不耐症は、一般的にも広く知られている病名であるため、自身の症状と一致すると、そう思い込んでしまうことが主な原因です。

ニャンコ
乳糖不耐症の正しい検査を行い、正確な診断を受けることは非常に重要だっていうことね。
そういえばDRピエール、いつも角打ちバーで診断が大事だって酔っぱらいながら言ってるね。

DRピエール
よく覚えてるね。お医者さんの治療には診断が重要なんだ。
診断がつくことによって、医療機関による適切な食事療法を受けることができ、乳糖不耐症の治療や、その原因となる病気が隠れていた場合にはそちらの治療を進めることも可能になります。

ニャンコ
食事療法って?

DRピエール
乳製品を避けることで栄養バランスが偏る可能性があるから、食事で十分補える体質なのか、サプリメントによる補助が必要なのか、一度しっかり確認しておくことも大切です。

ニャンコ
どの検査をしたらいいかニャン?

DRピエール
まずは検査について説明するね。
ラクトース除去食から始めようか?

ニャンコ
お願いします。

DRピエール
乳糖不耐症の有無を自身で確認する一番簡単な方法は、牛乳などの乳製品を食事から取り除く「除去食」です。
簡単に思うけど、ちょっとした知識が必要になります。

ニャンコ
どんな問題点?

DRピエール
乳製品は加工食品や調理済みの食品において非常に高頻度で使用されているのを知ってる?

ニャンコ
バターとチーズを止めればいいんじゃないの?

DRピエール
たとえば、パンやシリアル、スープ、マーガリン、ドレッシング、パンケーキ、ビスケット、クッキーなどには、ラクトースが含まれている可能性が十分あります。したがって、厳密なラクトース除去食を摂り続けることは難しく、除去食のつもりでいても相当量の乳製品が含まれていることも珍しくありません。
重症の患者さんの場合は少量のラクトースであっても発症してしまうため、ラクトースの除去が厳密に行えていない限り、症状が続いてしまいます。すると、「ラクトース除去食を続けているのに症状がある」、つまり腹部膨満感や下痢などの消化器症状は、ラクトースの摂取とは関係がない、と誤って結論付けてしまいます。

ニャンコ
確かに何に乳糖が入っているのかはめざとく調べないといけないってことね。

DRピエール
また、検査を行う期間が短期間の場合、正確な判断はできないことがあります。重症で毎日症状がみられるような場合であれば、短期間でも十分判断可能なこともありますが、症状が軽く、かつ変動するような場合は、数週間または数ヶ月間継続する必要があります。

ニャンコ
数か月!?

DRピエール
さらに、乳糖不耐症の症状は主観的なものが多く、また変動するものであるため、「乳製品を避けているから調子がいい」と思い込んでしまう“プラシーボ効果”による可能性がゼロではない点に注意が必要です。
以上のことから、ラクトース除去食によって乳糖不耐症の診断を行う場合は、厳密な食生活が求められます。

1 2 3 4 5 6 7

この記事を書いた人

関連するカテゴリ

おすすめ記事

関連する記事はこちら