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40年以上前から無農薬のこだわり茶を作る’新生わたらい茶’ 

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三重県は静岡、鹿児島に次ぐ生産量が日本3位のお茶の名産地。

今回DRピエールは40年以上にわたって無農薬のお茶つくりを行なっている三重県度会町の株式会社新生わたらい茶さんを訪問させて頂きました。

三重県内で生産された三重県産茶葉100%の緑茶は「伊勢茶」と呼ばれ、わたらい茶もそのひとつ。わたらいは産地名で、わたらい茶は度会町と大台町でつくられたお茶のことです。

株式会社新生わたらい茶さんは「わたらい茶生産グループ」の会員で設立された会社。荒茶工場を経営する生産者が中心となり、株式会社新生わたらい茶と栽培契約を結んでいるグループ(任意団体)で構成されている組織です。有機JAS認定を取得されています。

こちらでは昭和40年代から「自然と共存・矯正」を目指し、たい肥作りから始まる土づくりにこだわる有機栽培でのお茶つくりを続けていらっしゃいます。昭和50年に「健全な作物は土壌から」との思いでたい肥づくりを始められました。昭和50年代といえば高度経済成長の名残りで、公害や化学肥料の過剰施肥から環境や生態系のことが社会問題になった時期でもあります。それ以来、農薬、化学肥料、添加物を一切使用せずお茶つくりへ取り組むという高い意識のこだわり。土作りから栽培、加工まで生産者が管理できる体制でカラダのために安心・安全で素性豊かなお茶づくりを続けています。

収穫は年3回(一番茶・二番茶・秋番茶)。
ちなみに今回訪れたのは二番茶の時期。

〚一番茶について〛
とにかく香りのよいことが一番茶の特徴です。
わたらい茶では一番茶の茶葉を摘むと数時間のうちに加工します。放っておくと発酵がはじまるため、生茶のままでは置いておかないとのこと。蒸気で蒸し発酵が止まると緑茶になります。これをもみながら乾燥させていきます。

〚生産年について〛
お茶は基本的には順番に使っていくものなので、今年の作柄が良いからといって取っておくという考えはないとのことでした。この考え方は生産年にこだわるワインとは違いますね。

〚効能効果やうまみについて〛
効能効果は茎がはいっているほうが良いそうです。茎茶は荒茶から仕上げていきます。またいいお茶はアミノ酸テアニンといった旨みが多くなっています。

〚無農薬栽培の苦労〛
無農薬で栽培すると害虫が発生しやすいため収量は低下します。害虫の駆除や雑草の除去などそれまでより格段に労力がかかるようになりました。今では有機農法で作られたたい肥を施用することで害虫の発生を抑える栽培を行っています。害虫は二番茶の新芽が生育してくるこの時期につきやすいようです。

〚日本茶の需要〛
日本茶は需要が減ってきているとのお話し。
以前はどこの家庭でも当たり前に飲んでいた日本茶ですが現在では炭酸飲料、ミネラルウォーター、コーヒーなど他の飲料の消費が拡大し日本茶の需要は減少しているようです。また緑茶の消費量について、緑茶(リーフ茶)は減少傾向ですが、ペットボトル入りの緑茶は微増で推移しているとのことです(農林水産省・2017年 http://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/cha/pdf/cha_meguji_h2805.pdf)。

他に、急須を使用するのが面倒に思う人が増え急須離れが起こっている、意外にも急須離れによる日本茶離れは以前は日本茶を飲んでいた老齢者に多いとの調査結果もありました。


緑茶の需要が減っている一方で、国内のお抹茶の需要は伸びているそうです。

今回はお茶畑も見させて頂き、お茶づくりの苦労とお茶の文化をたくさん拝聴させて頂きました。健康面からも色々な病気、特にがん予防においても緑茶は注目されています。そういった意味ではお味だけでなく、健康のためにも積極的に飲んでいきたいとDRピエールは考えています。

お茶は洗わずに煎じるものであることを考えると、可能な限り無農薬のお茶にこだわって飲むべきという思いを強くしました。今は残念なことにお茶の需要が下がっているようですが、世界では空前の日本食ブームでもあるので健康志向が高い無農薬の緑茶は日本食と一緒に日本文化として世界的に需要が伸びていくチャンスもあるのかと思います。

山があり、清流があり、風通しのよいお茶畑の風景

お茶畑に適している土地で、自然が素晴らしい!

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

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