魅惑的な唇作り、ピエール釣りに出る 

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歴代将軍にも愛された魚「キス」

歴代の徳川将軍も好んだキス。
魚偏に「喜ぶ」と書くことから縁起が良いとされていました。

数年前、コルシカ島で乗船した際の激しい揺れを経験して以来、釣りから遠ざかっていましたが、三つ星のグランシェフからキス釣りのお誘いを受け、意を決して出かけることにしました。

本牧ふ頭を出発し、なぜか木更津沖近くまで東京湾を横断しました。釣り初心者の仲間がキスを豊漁で釣り上げる中、私が釣れたのはなぜか食用ではないフグでした。気持ちを新たにし、学生時代の教授がアンディーフグに似ていることから「フグちゃん」と呼んでいたことを思い出しながら、フグとのツーショット写真を撮影しました。

キスの調理と栄養的な特徴

釣ったキスは、自宅のキッチンで天ぷらにしました。恥ずかしながらキスを捌くのは初めてで、グランシェフが手際よく捌く横で悪戦苦闘しました。

普段は糖化ストレスを考慮し揚げ物は自宅で作らないのですが、料理長がマンツーマンで天ぷらの作り方を教えてくれるという貴重な機会に、揚げたてを味わいました。フランチャコルタのスパークリングワインが進みすぎてしまいましたが、キスには二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する際に使われるナイアシンが豊富に含まれているため、多少は安心できるでしょう。


キスはパールのように輝く姿と上品な風味から「砂浜の女王」とも呼ばれています。その栄養的な特徴として脂質が100gあたり0.2gと極めて少ない点が挙げられます。脂質が少ないため消化吸収が良く、天ぷらにしても胃に負担をかけにくい食材です。


さらに、キスには良質なタンパク質が多く含まれており、髪や肌を健康に保つほか、唇の荒れにも効果的です。つまり、魅力的な唇を保つためにも、キスは大いに役立つ「女王様」と言えるでしょう。

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ     

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