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長旅をした後に食べたい心躍る春菊のサラダ

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春菊の心地よい苦味の効果

パリで日本人初のミシュラン三つ星を獲得した小林圭シェフ。
日本で新たに開いたメゾンKEIは富士山の麓である御殿場が舞台。

思えばシェフのお料理をいただくのはパリのレストランKEIには7年前に作家の玉村豊男さん、グラフィックデザイナーの麹谷宏さんと伺って以来。
特に玉村さんが後に本にまとめられたブリア=サヴァランの美味礼讃のお話はフランス版医食同源とも言え、今に至るまでDr.ピエールにとって影響を与え続けてくれています。

今回プレオープンに伺ったDr.ピエールの心に響いたのが、フランスでのシグニチャー料理でもある庭園風サラダ。
ボウルの中には地産地消にこだわった25種類ほどの地元のお野菜やハーブと、川で採れたイワナの燻製。
アンチョビ風味の軽やかなクリームとトマトのドレッシング、レモンの泡でふわりと覆われ、食べる直前に黒オリーブ入りのクランブルがかけられます。

よーーく混ぜてくださいとの指示通りに大胆に混ぜていくと、泡とクリームが混じり合ってネットリしっとり、まるで別物のサラダに。
シェフ流の「シーザーサラダ」と称されるわけがようやく分かりました。

春菊で免疫力アップ!

お野菜たちはそれぞれの食感や風味を活かすように調理されていて濃厚なドレッシングにも負けない仕上がりでしたが、中でも春菊の心地よい苦味が印象的。
春菊はヨーロッパでは主に観賞用が多く、食用に用いるのは東アジアだけのようなので、もしかしたら日本ならではのアレンジなのかも⁉️

春菊の独特の香りは13種類もの精油成分によるもので、自律神経に作用して胃腸を動かし消化吸収を良くし、咳をしずめます。
またβ-カロテンの含有量がトップクラスでビタミンCも多く含まれ、免疫力アップが期待できることから中国では昔から「食べる風邪薬」とも。
更にミネラル特にカリウムの含有量が多く過剰な塩分を排出するのにも効果的。

三つ星の定義の一つは、そのお料理を食べるためだけに旅をする価値のあるレストラン。
そういう意味ではこのサラダは長旅の末に訪れたゲストの胃腸を考えて、地元の食材で癒やしたいという想いが伝わってくる身も心も休まる一品でしたよ。

Maison KEI
静岡県御殿場市東山527-1

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
 渋谷セントラルクリニック代表
 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ 

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