

[ドクターの食卓から] 料理をする前に赤ワインに漬ける新・健康法
ピエール学生時代の思い出 「コック・オー・ヴァン」
学生時代の貧乏旅行で食べたお料理は誰でも思い出深いと思う。代官山にあるカフェで見つけたブルゴーニュ風鶏肉の赤ワイン煮、コック・オー・ヴァンもピエールにとってはその一つ。
はじめてこれを食べた5区にあるムフタール通りは如何にもパリにいるという気持ちにさせてくれる下町。
予算が限られた10代のピエールが少しでも安価に現地っぽいものを食べたいと思わせるには完璧なロケーションだった。
鶏肉の煮込みなんて聞くと柔らかいシチューをイメージしたけど、親鶏を使ったコック・オー・ヴァンの何とも硬い肉質に驚いた記憶がある。
お肉を赤ワインに漬けると有害物質が減る!
作り方を聞くとあらかじめ赤ワインに鶏肉とお野菜を浸けてから煮込むとのこと。
お肉は健康に良いとか悪いとか意見が別れますが、最近の研究ではお肉を高温で調理すると複素環アミンという有害物質が発生することは間違いないようだ。
でもピエールはそれでも焼いたお肉を食べたい!
そこで焼いたり、煮たりする前に赤ワインに漬けると複素環アミンが減ることを聞きつけてからはフレンチだけではなく、中華の時も、すき焼きの時もピエールキッチンでは赤ワインが良く登場します。
他にも赤ワインを使うと沸点が下がるので調理温度も下がるし、お肉の保水性も増すのでジューシーに仕上がる美味しさの特典付き。
親鶏を使ったワイン煮込みも、元々は硬い身質を柔らかくする目的もあったのかもしれませんね!
唯一の難点は赤ワインを使うと、やはり赤ワインを飲みたくなるので飲み過ぎには注意が必要ってことかな。
赤ワインは腸内細菌にも影響?!
また、赤ワインは腸内細菌にも影響していくという嬉しい作用も!
具体的には以下のような効果が期待されています。
- 日常的に赤ワインを楽しむことは腸内のビフィズス菌を増やす
- 腸内の炎症を抑えることによってLPSの発生を抑える作用がある(※)
- ポリフェノールは善玉菌を増やす効果がある
※LPSはNF-κB 等を活性化し、炎症反応に関与する多くの遺伝子発現を誘導することにより老化や病気の発症の原因になる可能性があります
適量の赤ワインの摂取は健康にいろいろ有益な効果をもたらす可能性がありますが飲みすぎには注意!
シェフドクターピエールのInstagram 【@chefdoctor_pierre】はこちらから!
〔シェフドクター ピエールの正体〕
渋谷セントラルクリニックエグゼクティブディレクター
日本抗加齢医学会専門医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)、日本麻酔科学会専門医
料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフや美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ及びボルドーワイン騎士団コマンドリー、ブルゴーニュワイン騎士団シュバリエ、シャンパーニュ騎士団シュバリエと各団体から名誉ある騎士号を叙任している。またパリ発祥で国内No1ワインスクールのアカデミー・デュ・ヴァンで’ワインと究極のアンチエイジング’の講座も担当している。
医師としては国内のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療でアーティストや財界人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほどの鍼の名手で東洋医学にも造詣が深い。