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副交感神経が高まり心と身体がリラックスできる ‘そば米汁’

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徳島の郷土料理「そば米汁」

徳島県で伝統的に食べられている「そば米汁」という郷土料理。

そば米とは、蕎麦の実を茹でて皮を剥いた雑穀米の一種です。
そばを粉にしないで実のまま食べるのは珍しいので調べてみたら、米がほとんどとれない山間部の村で栽培期間が短いそばをつくりはじめたのが発祥とのこと。

そば米に含まれる食物繊維は白米の8倍以上!
さらに蕎麦に特異的に含まれる「コリン」という栄養素が副交感神経の働きを高めるので、腸の動きが良くなり便秘の解消に効果的。

蕎麦料理の効能は?

他にも睡眠ホルモンの「メラトニン」の産生を高めて睡眠の質を良くすることが期待できます。
最近の研究ではメラトニンは超強力な抗酸化物質として知られていて、抗がん作用や認知症予防でも注目されています。

またお蕎麦には疲労回復に役立つビタミンB群が豊富なことでも知られています。
ビタミンB群は水溶性ですのでお蕎麦を茹でると茹で汁に溶け出してしまうのですが、その点、そば米汁は汁ごと全部いただけるので、蕎麦の栄養素を完璧に摂るに最適です。

写真の見るからに素敵な逸品は、日本で一番長くミシュランの三ツ星に輝く‘元麻布かんだ’さんでいただいたもの。一見すると素朴な郷土料理が供されたように見えますが、上品なお出汁に、蕎麦の香りとプチプチとしたそば米特有の食感はまごうことなきレストランのお料理。

本来のレストランの語源は、ラテン語で回復を意味する「restauro」。
体調のすぐれない人のために消化の良い食べ物、すなわちコンソメやライスプディングを出して悪くなった体調を回復=レストレさせる店、それがレストランでした。
コロナ禍で、この暑さで人々の心も身体も極限まで疲れているような気がします。

そう意味ではこの一品は神田大将の優しさの塊なのでないかと感じたDr.ピエールでした。

かんだ
東京都港区元麻布3丁目6−34

 

〔大友“ピエール” 博之〕

日本のみならずロサンゼルス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、個別化医療(precision medicine)を実践している。免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた治療で定評がある。

・ 医師 日本抗加齢医学会専門医 / 欧州抗加齢医学会専門医 / 日本麻酔科学会専門医
・ 西洋薬膳研究家、シェフドクターピエールとしても活躍中
渋谷セントラルクリニック代表
・ 一般財団法人 日本いたみ財団 教育委員
・ 一般社団法人食の拠点推進機構 評価認証委員/食のプロフェッショナル委員

・ 料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフなどが集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
 シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ / ボルドーワイン騎士団 コマンドリー /ブルゴーニュワイン騎士団 シュヴァリエ     

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