

[ドクターの食卓から] チンジャオロースの再構築の要はピーマンの苦味にあり
ピーマンのビタミンCは加熱OK!
誰もが知っている中華料理の代表格、青椒肉絲(チンジャオロース)を再構築。
料理の再構築とは聞きなれない方も多いかもしれませんが、良く知られているお料理の構成要素を分解し、違う形に作り替えて新しい価値観のお料理を作ること。
一見するとユッケのような生っぽい和牛肉は、真空状態でゆっくりと調理したもの。タンパク質が凝固する手前の低温で火が通されているので、ジューシーでとろけるような舌触りが特徴。
でも実は色鮮やかなピーマンこそが影の主役で繊維を感じさせない柔らかな食感ながらもシャキシャキなのは、さすがは超一流のシェフの技。
アツアツが餡のようにお肉に乗せられ、よく混ぜて食べることでピーマンの余熱が肉の脂を優しくほどいてくれるという仕掛け。
トウガラシの仲間であるピーマンは大きめのものならビタミンC量はレモン1個分に匹敵するほど。
ビタミンCは熱に弱いと言われていますが、ピーマンは酸化を防ぐ効果のあるビタミンPも多くビタミンCが加熱により守ってくれるので、苦味を抑えるためにしっかりと火を入れても大丈夫。
ピーマンの苦味が中性脂肪の上昇を抑える
ところでピーマンのあの苦さはどこから来るのかというと、正体はポリフェノールの一種であるクエルシトリン。
最近はこの成分を抜いて苦味をなくし、お子様でも食べられるように品種改良したマイルドなピーマンも開発されているようですが、クエルシトリンには高血圧抑制や抗うつなどの効果があるとされています。
また脂肪の蓄積や血中中性脂肪の上昇も抑えてくれるので、苦味も大事にして上手にいただきたいですね!
ちなみにどうしても苦味が気になる方は、ピーマンのへたに注目を。
実はへたには五角形と六角形のものがありり、六角形の方がより栄養分が多くて甘く、苦味を感じにくいですよ。
szechwan restaurant 陳
東京都渋谷区桜丘町26−1 セルリアンタワー東急ホテル 2F
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〔シェフドクター ピエールの正体〕
医師・料理研究家
・日本のみならずロサンゼルス、フランス、フランクフルト、香港、バンコクに拠点を持ち、免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、運動療法を取り入れた新しい統合医療を提案している。
・料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有するシェフや美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会のオフィシエ
・ワインにも造詣が深く、フランスの主要産地から名誉ある騎士号を叙任している。
ボルドーワイン騎士団コマンドリー
ブルゴーニュワイン騎士団シュバリエ
シャンパーニュ騎士団シュバリエ
またパリ発祥で国内No1ワインスクールのアカデミー・デュ・ヴァンで’ワインと究極のアンチエイジング’の講座も担当している。