タンパク質の消化 たんぱくしつのしょうか

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食べ物などからタンパク質を摂取した場合、まず胃酸によってタンパク質が変性しタンパク質を構成する分子がほどけやすくなります。同時に、胃液に含まれる消化酵素ペプシンの働きにより、アミノ酸どうしを繋いでいるペプチド結合が切断されます。

ペプチド結合とはアミノ酸どうしを結び付けている強固な接着剤のようなものです。

食べ物としてのタンパク質は、数十万から数百万個ものアミノ酸が複雑に結びついた立体構造(もしくは繊維構造)になっています。しかし、消化酵素などの働きによりペプチド結合が切断されると、10100個くらいのアミノ酸が鎖状に繋がったポリペプチドに分解されます。塊だった肉が細長くスライスされていくようなイメージです。

その後、ポリペプチドは小腸に送られ、すい臓から分泌されるトリプシンやキモトリプシン、カルボキシペプチターゼなどの消化酵素の働きにより、さらに細かく分解されます。肉の塊がミンチ状に砕かれるようにどんどん小さくなっていきます。

タンパク質がペプチドの状態まで分解されると、小腸の上皮細胞(粘膜)から分泌されるアミノペプチターゼやジペプチターゼなどの消化酵素によって、小腸から吸収できる大きさにまで分解されます。

ペプチドとはアミノ酸が23個程度結合したもので、少なくともこの程度の大きさ以下になれば、小腸の壁を通過して吸収できるようになるのです。

また、アミノ酸は消化の上ではそれ以上分解することができない最も小さな単位ですから、厳密にいえば一つ一つのアミノ酸になるまで分解してから吸収したほうが、吸収の効率が高くなるといえます。

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