エネルギー源としての脂肪 えねるぎーげんとしてのしぼう

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脂肪つまり脂質は、炭水化物タンパク質と合わせて「三大栄養素」と言われます。カラダにとって非常に重要な栄養素の1つです。

脂質は、体内での運搬や貯蔵が比較的容易であり、さらにはエネルギーに変換しやすいという優れた栄養素なのです。

食事から摂取する脂質のうち98%は中性脂肪に分解され、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積されます。これらは貯蔵脂肪と呼ばれ、成人の貯蔵脂肪は、男性で体重の15~20%、女性で25%程度です。これらは重要なエネルギー源になります。

理論的には、フルマラソンを20回走ることができ、また、数カ月間は水のみで生存が可能な量の脂肪が貯蔵されています。非常時にも生き延びられるような設計になっているのです。
このような体の仕組みになった理由は、何十万年前に遡ります。その昔は、食べ物を十分に得ることができなかったため、脂肪という貯蔵しやすくエネルギーに変換しやすい形に頼るようになりました。そのため、私たちは生まれつき脂肪の多い食事を「美味しい!」と感じるようになっています。カロリーの高い食事を好むのは、大昔から生存のために遺伝子に刷り込まれた性質だったのです。

脂質の単位重量当たりのカロリーは9kcal/gです。炭水化物の場合は4.1kcal/g、またタンパク質の場合は4.1kcal/gですから、非常に効率の良いエネルギー源であるといえるでしょう。

普段のエネルギー源としては、まず糖質から消費されていき、タンパク質、脂質と順に利用されます。安静時や強度の低い運動を行なっている時には、脂肪が多く消費されます。逆に、激しい運動を行なっているときには糖が優先的に消費されます。

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