食物繊維の食事摂取基準  しょくもつせんいのしょくじせっしゅきじゅん

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厚生労働省の食事摂取基準(2015年版)では、食物繊維の摂取目標量を男性20g以上、女性18g以上と設定しています。

18~69歳が対象なので、高齢者や幼児はこの限りではありません。

現状としては、日本人の20歳以上の平均としては、男性15.2g、女性が14.3gと大きく下回っています。

昔の日本の食事では男女ともに一日20gを超えていましたが、戦後の食生活の欧米化などで現在は大きく下回っています。

これは肉や乳製品などの増加によって野菜が減っている点や、加工食品やスナック菓子などが増えているのが原因です。

エネルギー摂取量の目安としては、おおよそ1000kcalに対して10gの食物繊維を取ることが望ましいとされています。

これは、良好な排便のために必要な量とされています。

目安としては、そば1食分で食物繊維を3.6g含み、玄米ご飯なら1膳(150g)で2.1g含みます。

野菜なら、おからは50gにつき5.8g含み、ごぼうなら1/4本で2.9g、エリンギなら1本で1.7g含みます。

つまり、全粒粉の穀物などよりも、野菜類やキノコ類などから摂取するほうが栄養面や効率面からも効果的です。

生活習慣病の発症予防の観点から考えると、成人では、食物繊維を一日24g以上、できれば1,000kcalあたり14g摂取するのが理想とされています。

 

食物繊維が不足すると、腸内環境の悪化が懸念されます。

まず、善玉菌が増えにくくなり、相対的に悪玉菌が増加しやすくなるので便秘になりやすくなります。

その結果、痔や大腸癌などのリスクも高まります。

血糖値が上がりやすくなったり、血中の脂質が上がりやすくなるので生活習慣病のリスクも高くなります。

そのほかにも、食物繊維の多い食品は、低カロリーで噛み応えがあるものが多いので、食物繊維が少ない食品に比べて、食べた時の満足感が高くなります。

現在、肥満が問題視される中で食べ過ぎの予防を防ぐためにも食物繊維の摂取は必須とも言われます。

食物繊維の過剰摂取は下痢や便秘を起こすので食物繊維ばかり摂ることは健康ではありません。

ただし普段の食生活で食物繊維が過剰になる心配は、ほぼ無いと言われます。

むしろ、意識しなければ不足する栄養の一つです。

特に、普段からサプリメントなどの健康食品を利用している人は食物繊維が不足する傾向にあります。

また、食物繊維のサプリメントなどでは肥満の防止にはならず、顎への刺激も少ないことから食物繊維がもつ健康面での機能は十分に果たせないと考えられています。

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