腸炎ビブリオ ちょうえんびぶりお

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特徴

・沿岸や海水中や海泥中に存在します。
・好塩菌の一種で3~4%前後の食塩を含む食品中で増殖します。最大10%食塩濃度でも増殖可能です。
・真水や酸に弱いです・
・熱に弱く、60℃10分以上の加熱で死滅します。
・水温が15℃以上になると活発に活動します。
・海水中に腸炎ビブリオが多い時期に獲れた魚介類には腸炎ビブリオが付着しているため、漁獲後の流通過程や調理中の取り扱い時に適切に作業をしないと増殖し、食中毒を引き起こします。
・分裂速度が通常の細菌に比べ2倍程度速く、至適条件(35~37℃、pH7.6~8.0、塩分濃度2~3%)では10分前後(通常の細菌では20~30分)で食中毒を引き起こす数まで増殖します。
・5~6月頃から増加します。 7~9月の海水温が20℃以上でピークになりますが、冬場でも腸炎ビブリオによる食中毒は発生します。
・魚介類を生食する習慣のある日本人に感染、発症が多いです。
・通性嫌気性菌で、桿菌です。
・感染型の食中毒菌です。

※桿菌:棒状の細長い形です。
※感染型:食品の摂取に伴って一定量以上の生きた病原菌が腸管内に入り、腸管粘膜の表面やさらに深部の組織に侵入、増殖することによって中毒症状を引き起こすことです。

原因食品

・魚介類の生食によって引き起こされます  例 刺身、たたき、寿司類など、魚介加工品
・生の魚介類を調理した後の調理器具や手指を介しての2次汚染された食品  例 サラダ
・食塩を使用し、加熱しない食品  例 浅漬け、塩辛

主な症状と潜伏期間

潜伏期間は8~24時間です。激しい腹痛、水様性や粘液性の下痢などが主症状で、発熱(37~38℃)、吐き気、嘔吐、まれに血便を起こす人もいます。脱水症状に注意が必要です。下痢などの主症状は一両日中に軽快し、回復します。

予防方法

・魚介類は、調理前に流水(真水)で良く洗って菌を洗い流します。
・魚介類に使用した調理器具類はよく洗浄、消毒し二次汚染を防ぎます。
・魚介類を調理したままのまな板で野菜や果物などは切らず、使い分けるようにします。
・夏場の魚介類の生食は食中毒のリスクが高いので、食べる直前まで冷蔵庫で保管し、取り出したら速やかに食べるようにします。また冷蔵庫では4℃以下で保管します。
・加熱調理をするときは、中心部までしっかり加熱をします。

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