ブドウ球菌 ぶどうきゅうきん

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特徴

・通性嫌気性菌です。
・至適増殖温度は30~37℃ですが5~47.8℃の温度域で増殖きます。
・低温に比較的強いです。
・健康な人の鼻腔、咽頭などに生息しています。(保菌率は約40%です)
・皮膚にできたおできやニキビ、手指の傷、水虫などに存在する化膿性疾患です。
・動物の皮膚、腸管、下水、ほこりの中など自然界に広く分布しているので、食品を汚染する機会が非常に多いです。
・好食塩濃度(7~8%)でも発育します。
・ブドウ球菌が増殖するときにエンテロトキシン(腸管毒)という毒素を産生し、それを摂取した際に食中毒を引き起こします。
・顕微鏡で見るとブドウの房のように見えます。
・菌自体は熱に弱い(60℃30~60分で死滅)ですが、毒素(エンテロトキシン)は熱に強く、100℃20分の加熱でも分解されません。

原因食品

・様々な食品が原因食品となる可能性が高いです。特に素手で触ったり、手を介する食品は原因食品となりやすいです。
例 おにぎり、寿司、お弁当、総菜類、菓子類など(特にでんぷん質を多く含む豆類、米飯によるものが多いです)
  
・牛乳房炎の起因菌の1つでもあるため、欧米では乳・乳製品。畜肉およびその加工品も原因食品となります。
※飲食店(約35~45%)、家庭(20%前後)、仕出し屋、旅館などでお多く発生しています。

主な症状と潜伏期間

・潜伏期間は短く30分~6時間(平均3時間)で発症します。
・吐き気、嘔吐、腹痛などの胃腸炎症状が主症状です。下痢を伴うことはありますが、一般に高い熱は出ません。
・嘔吐回数は患者の感受性や摂取した毒素量の違いによって異なります。
・通常24時間以内に改善するため、特別な治療の必要はないとされていますが、脱水症状や血圧の低下、脈拍微弱などを伴った際は、速やかに医師の診察を受ける必要があります。
・死に至ることはほとんどありません。

予防方法

・手指などに切り傷や化膿巣がある人は、食品に直接触れたり、調理したりしないことです。
・手指の洗浄、消毒をしっかり行います。
・菌の増殖と毒素産生を抑えるため食品の汚染を防ぎ、食品の低温保存と保存期間を短くします。
・いったん毒素が産生された食品は、その後に加熱調理をしても毒素は分解されないため食中毒を引き起こします。
・毒素を産生しても、食品の見た目は変化しないので、出来上がったらすぐに喫食します。

参考文献

  • 公益社団法人 日本食品衛生協会
  • 東京都福祉保健局 食品衛生の窓
  • 医歯薬出版株式会社 新食品衛生学要説
  • 厚生労働省

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