カンピロバクター かんぴろばくたー

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特徴

・家畜、家禽(かきん)、ペット、野生動物、野鳥等の動物の腸管内に分布しています。
・鶏はカンピロバクターの保菌率が高いです。
・らせん状の微好気性菌(酸素5~15%で増殖)です。酸素が全くない環境や酸性(pH5以下)やアルカリ(pH9以上)では増殖できません。
・発育至適温度35~42℃と比較的高く、25℃以下では発育できません。
・少量の菌数(10~100個程度)でも発症します。
・熱(60℃30分で死滅)、乾燥に弱いです。
・日本では細菌性食中毒の中で1番発生件数、患者数が多いです。
・潜伏期間が長いため、原因食品が残っていないことが多く、食中毒が発生しても原因食品を特定できない事例が多いです。
・サルモネラ菌に似ています。

※家禽:主に食肉、卵を得るために家畜として飼育するものです。

※発育至適温度:増殖に最適な温度のことです。

原因食品

・肉の生食や加熱不十分な食品です
例:鶏刺し、鶏わさ、鶏たたき、鶏レバー
・2次汚染されたサラダなどです
・動物(鳥類など)の糞に汚染された井戸水などの飲料水です 

主な症状と潜伏期間

潜伏期間が比較的長く、食品を食べてから発症するまで2~7日くらいかかります。
主な症状は腹痛、下痢、発熱(37~38℃)で、通常倦怠感、発熱、頭痛、筋肉痛等の前駆症状があり、次いで吐き気、腹痛が現れます。
敗血症、関節炎、まれにギラン・バレー症候群、ミラー・フィッシャー症候群など発症する場合があります。 

※ギラン・バレー症候群:手足の筋力が低下し、症状が進行すると完全四肢麻痺や呼吸麻痺に至ることもあります。カンピロバクターに感染した1~3週間後に発症する場合があります。

※ミラー・フィッシャー症候群:急性の外眼筋麻痺、運動失調、腱反射消失を三徴とします。

予防方法

・熱や乾燥に弱いので、調理器具は使用後によく洗浄し、熱湯消毒、乾燥させます。
・加熱不十分な食肉や、その臓器あるいは食肉の生食を避けます。
・食肉からサラダなどへの二次汚染を防ぐために、生食を取り扱う調理台と調理済み料理を置く台は離して設置します。生食を取り扱った後は、十分に手指を洗浄します。また相互汚染を防ぐために、生食は専用の蓋つきの容器に入れるかラップをします。
・未殺菌の飲料水や野生動物の糞などに汚染された貯水槽、井戸水などは飲まないようにします。水は塩素消毒や煮沸消毒をします。

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