グルテンフリー食 ぐるてんふりーしょく

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定義

グルテンとは小麦、大麦、ライ麦など穀物に含まれるグルテニンとグリアジンに水を加えて練ることにより生成されるタンパク質の一種です。パンや麺類などの生地がまとまり、弾力や粘りが生じるのはグルテンの働きによります。グルテンフリー食は、パンやパスタなどグルテンを含む食べ物を摂取しない食事法です。セリアック病などグルテンに対する自己免疫疾患や過敏症がある人へ推奨されるほか、肥満や糖尿病、消化器疾患、精神疾患、認知症などの改善効果があると期待されています。

グルテンフリー食の概要

グルテンフリー食はもともとは、グルテンに対する自己免疫疾患セリアック病(グルテン過敏症)の患者を対象にした食事療法です。セリアック病とは欧米人に多い疾患で、グルテンの摂取後に腸の粘膜が傷つき、炎症などが生じます。日本でも食の欧米化などにより増加している疾患です。成人では下痢や体重減少、食欲不振、免疫力低下、皮膚炎、疲労感などの症状がみられ、小児では腹痛、腹部膨満感、成長障害、貧血、月経障害、すぐにイライラする(キレやすい)などの症状が多くみられます。こうした症状は抗原となるグルテンへの免疫反応が関係していると考えられることから、グルテンを含む食品を摂取しないグルテンフリーの食事療法により、症状の改善をはかります。また、グルテンには食欲を亢進する作用があることから、グルテンフリー食によって肥満の解消や効率的なダイエットを実践する人も増えています。その他にも、糖尿病(Ⅱ型糖尿病)など生活習慣病、動脈硬化、過敏性腸症候群、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞など)、うつ病などの改善効果があると期待されています。

グルテンフリー食の実践

グルテンフリー食はグルテンを含む食べ物を摂取しない食事法ですから、グルテンが含まれる食べ物を正しく認識する必要があります。

● グルテンを含む食べ物(食べてはいけない食べ物)

・主食……パン、パスタ(スパゲッティ)、うどん、そうめん、ラーメン、焼きそば、お好み焼き、ピザ、シリアルなど
・副食……餃子やシュウマイの皮、天ぷらやフライの衣、カレーやシチューのルー、マカロニ、フライドポテト(フリッター食品)、ハンバーグ、ソーセージ、麩など
・間食(おやつやデザート)……ケーキやクッキーなど洋菓子、スナック菓子、中華まん、まんじゅう、たい焼きなど
・その他……麦焼酎、ビール、発泡酒、ウイスキー、麦茶、麦味噌、合わせ味噌、穀物酢せ、人工甘味料など

● グルテンフリー食の実践例

グルテンフリー食を実践するには次のような方法があげられます。

・主食はパンやパスタなどを小麦製品を避け、白米や玄米、ビーフン、ライスヌードルなど米を素材とした食べ物に替える。また、小麦の代替として米粉やそば粉、ココナッツ粉、おからパウダーなどを利用する。
・揚げ物やフリッターなどには衣に小麦粉が使われていることが多いため、衣の部分を取り除いて食べる。
・ハムやソーセージ、ウィンナーなど加工食品には小麦が含まれる場合が多いため、新鮮な魚、野菜、海藻類など自然の食材を中心にする。
・市販のカレーやシチューのルー、クリームソースなどには小麦粉が使われているため、小麦を除いた手作りのルーなどを使用する。
・食品に表示されている栄養成分表(アレルギー情報)などで小麦などが使用されていないかよく確認する。
・調理法やレシピなどを掲載したWEBサイトなどを活用し、グルテンを使わない調理法やグルテンの代替法を参考にする。また、「消費者庁のキッチン」(消費者庁)では小麦アレルギーに対応したレシピなどが公開されています。
・間食は洋菓子やスナック菓子は控え、果物や干し芋、干し柿など天然素材のスイーツなどにする。和菓子でも饅頭など小麦が使われているものがあるので注意。

● 実践上の注意点

・グルテンは小麦だけでなく大麦やライ麦、オーツ麦などにも含まれます。(ハト麦は除く)原材料表示などを十分に確認しましょう。
・食べ物だけでなく麦茶など穀物茶、麦を原料とするアルコール類にも注意しましょう。
・早い人では1週間程度で効果が現れますが、初めは2~3週間を目処に無理なく続けましょう。小麦素材の食品を減らすだけでも効果を実感できる場合もあります。

グルテンフリー食の効果

グルテンフリー食を実践することにより、次のような疾患の改善効果が期待できると考えられています。

・セリアック病(グルテン過敏症)
・肥満、体重過多
・高血糖、脂質異常症、糖尿病など生活習慣病
・下痢や便秘、腹部膨満感
・過敏性腸症候群
・悪心(吐き気、むかつき)
・慢性的な頭痛
・関節炎など炎症性疾患
・トゥーレット症候群(チック症)
・抑うつ、精神不安定、気分障害
・アルツハイマー型認知症

注意点

輸入食品などEUやアメリカにおけるグルテンフリー表示と日本のアレルギー表示とは基準が異なるため注意が必要です。特にセリアック病ではごく少量のグルテンでも症状が起こることがあります。グルテンフリー食はセリアック病(グルテン過敏症)の療養食ですが、他の疾患の治療を目的とするものではありません。また、症状がある場合は医師などに相談してから始めて下さい。

参考文献

  • 『小麦は食べるな!』Dr.ウィリアム・デイビス・著
  • 『いつものパンがあなたを殺す』デイビッド・パールマター・著

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