糖質制限食 とうしつせいげんしょく

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糖質制限食

血糖値を上昇させるのは、基本的に糖質です。
糖質は15分〜90分程度で100%が血糖に変えられます。タンパク質は3時間程度で50%が血糖に変えられ、脂質は数時間〜12時間程度で10%未満が血糖に変えられます。

心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの引き金となることが知られている動脈硬化は、「食後高血糖」が大きな原因の一つとされていますが、糖尿病を患っている人や糖尿病予備軍の人においては、血糖値を下げる働きをするインスリンの分泌量が少なかったり、分泌する速度が遅かったりするために食後高血糖の上昇が特に高く、200mg/dlを超える数値を示します。また、健康な人では通常、食後2時間程度で140mg/dl未満に低下するのに対し、糖尿病を患っている人や糖尿病予備軍の人は血糖値が低下せず、高血糖の状態が長時間続いてしまいます。

血糖値は180mg/dlを超えると、血管内皮が傷害され体内のさまざまな器官の血管が傷つけられてしまいます。また、動脈硬化などの原因となる活性酸素の働きを助長したり、糖尿病性網膜症の発症リスクを高めたり、高齢者の認知機能に影響を与えるなど、高血糖の状態が長時間続くことが長期間にわたると、体のあちこちの器官に症状が出現し始めます。

タンパク質や脂質を中心に摂取する糖質制限食ならば、食後高血糖が生じないため糖尿病を患っている人や糖尿病予備軍の人の治療食として適しています。

糖質制限食の種類

・スーパー糖質制限食
朝食・昼食・夕食のいずれの食事でも主食(ご飯、パン、めん類)を抜きます。特に糖尿病や重度の肥満の人に適しており、効果が出やすい食事です。

・スタンダード糖質制限食
朝食と夕食で主食を抜き、昼食のみ主食を摂ります。

・プチ糖質制限食
夕食のみ主食を抜きます。嗜好的に糖質を好み、上記1、2の食事を摂取することが難しい人などに対応します。

糖質制限食を行う際のポイント

魚介類・肉類・豆腐・納豆・チーズなどのタンパク質や脂質が主な成分である食品はしっかり摂取する。
糖質を多く含む食品、特に白いパン・白米。

糖質制限食とは

糖質制限食とは血糖値上昇させる糖質を制限し、その分のエネルギーをタンパク質や良質な油などで補う食事とすることで、血糖値の急激な上昇を避けることを目的としている食事のことをいいます。

主に糖尿病や肥満、メタボリックシンドロームを改善に効果的な食事とされ、今まで一般的に行われてきた摂取エネルギーを制限する食事療法とは異なり、糖質は厳しく制限しますが摂取エネルギーについてはあまり厳しく考えず、1日に標準的な必要エネルギーを摂取することができます。

糖質の含有量が少ない食品については食べる量にほとんど制限がなく、肉や魚などもタンパク質や脂質の多い食品でも摂取できるため、摂取エネルギーを制限するよりも食事療法への取り組みの負担が軽減されるとして注目されています。

医療機関などで一般的に推奨されている糖尿病食は、総摂取エネルギーのうち糖質が60%、タンパク質が20%、脂質が20%程度で構成されています。しかし、糖質制限食のうちスーパー糖質制限食と呼ばれている、朝食・昼食・夕食のいずれの食事でも主食(ご飯、パン、めん類)を摂取しない食事では、糖質が12%、タンパク質が32%、脂質が56%程度で構成されており、従来の糖尿病食とは異なる新しい食事療法です。

めん類や菓子類・白砂糖など、精製された糖質の摂取は極力避ける。
主食を摂取する際には玄米や全粒粉パン、十割そばなど、未精製の穀類を使用しているものが好ましい。
飲料は水・麦茶・ほうじ茶などとし、牛乳や果糖を多く含む果汁のジュースは飲まない。ただし、成分無調整の豆乳は飲んでもよい。

糖質の含有量が少ない野菜や、海藻類、きのこ類は1日の摂取量を超えない範囲で摂取し、果物は少量だけにする。
油脂は、オリーブ油やEPA、DHAを多く含む魚油などを積極的に摂り、リノール酸が主な成分である、大豆油や紅花油などの植物油の摂取は減らす。ただし、マヨネーズ(糖質を混ぜていないもの)やバターは摂ることができる。
プレーンヨーグルトは、無糖のものであっても乳糖が含まれているため、1日100g(糖質量5g程度)とし、牛乳も1日100cc程度の範囲で調理などに使用する。

糖質制限食を行う際の注意点

糖質制限食は、摂取する糖質量が大きく減少するため、経口血糖降下剤などの薬を服用している人やインスリン注射を行っている人は、低血糖発作を引き起こす可能性があります。

糖質制限食を開始する際には必ず医師と相談し、必要に応じて入院するなど医療機関との連携で行いましょう。
また、糖質制限食はタンパク質の摂取量が増加するため、腎機能や肝機能が低下している人が行うのには適していません。病態の悪化を招く恐れがあるため注意が必要です。

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