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ブチルヒドロキシアニソール(BHA) ぶちるひどろきしあにそーる

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ブチルヒドロキシアニソール(BHA)の特徴

ブチルヒドロキシアニソール(BHA)は、白色の結晶状の粉末、またはわずかに黄褐色をした結晶や粉末の物質で、油脂やアルコールなどにはよく溶け、水にはほとんど溶けないという性質をもっています。動物性の油脂や石油の酸化を防止する効果に優れているため、加工食品を製造する際に食品の酸化による劣化や腐敗を防ぐ酸化防止剤として使用されています。また、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)やクエン酸との併用によって酸化防止効果が大きくなるため、一緒に使用されていることが多い物質です。同じ酸化防止剤として使用されているアスコルビン酸(ビタミンC)やトコフェロール(ビタミンE)とは異なり自然界には存在しない物質で、化学的に合成され作られています。

ブチルヒドロキシアニソール(BHA)の用途

食品中の、特に油脂の酸化による劣化や腐敗を防ぐ酸化防止剤として、食用油脂やバター、マーガリン、乾燥裏ごしいもなどに使用されています。他にも、魚介類の冷凍食品や乾燥品、塩干しなどの塩蔵品にも使用されています。ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)と用途はほぼ同じですが、BHTの使用が認められているチューインガムへの使用は認められていません。

ブチルヒドロキシアニソール(BHA)の安全性

1982年ラットによる動物実験結果で前胃にガンが発生したため、発ガン性が疑われています。しかし、実験の際にラットの摂取量が通常使用量の数万倍であったことなどから、WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)の合同食品添加物専門会議であるJECFAは、この結果を「人には当てはめることはできない」としているため、世界的にも摂取の許容量などは特に設定されておらず、人体における通常使用では安全な物質であるとしています。

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