滋養強壮につながる「里芋」 さといも

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里芋は、東南アジア原産のタロイモ類の仲間です。縄文時代から日本で食べられていたなじみの深い食材。

胃腸の調子を整え、食欲を増進させる滋養強壮の食材です。

関東での生産量が多く、旬は秋から冬(品種によって異なる)です。

栄養素

イモ類の中では、比較的低カロリーな里芋。里芋独特のぬめりは、炭水化物とたんぱく質が結合することで合成された水溶性食物繊維のマンナン、ガラクタンという成分です。マンナンには、便秘予防・解消効果があるといわれます。ガラクタンには、免疫力向上効果があり、ガンの発生や進行を抑制し、風邪予防にも働きます。また、消化促進作用もあり、整腸・便通効果があります。また里芋にはアミノ酸が豊富に含まれており肝臓の働きを良くし、滋養強壮に働きかける作用もあります。

里芋で手がかゆくなるのは、里芋に含まれるシュウ酸という成分のためです。シュウ酸の結晶はトゲのような形をしているため、これが皮膚に刺さってかゆみが出ます。
またシュウ酸は味の上ではエグミのもとになります。

里芋の主な栄養成分(可食部100g本あたり 15060g

エネルギー 58kcal
カルシウム 10mg
 0.5g
カリウム 640mg
ビタミンB1 0.07mg
ビタミンC 6mg
食物繊維 2.3g

効能・効果

免疫力の向上:里芋に含まれるガラクタンが免疫力を高め、がん細胞の増殖を抑制します。

滋養強壮:豊富なアミノ酸が臓器の働きを高めるため、滋養強壮効果が期待できます。

便秘解消:水溶性食物背にが豊富に含まれているので、消化を助けて便通をよくします。

東洋医学的側面

・寒熱:平(体を温めも冷やしもしない)
・昇降・収散・潤燥:滑・降(気を降ろす)・潤(体を潤す性質)
・臓腑:脾、胃、肝
・五味:辛(発散、気を巡らせる作用)
・毒性:生:小毒 加熱:なし

ぬめりが喉の粘膜を刺激するので、喉に炎症を起こしている場合は控える
解毒、腫れをひかせる
消化不良を解消
できものの改善
免疫力の向上

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

里芋を選ぶときは、泥が付いていて固くしまったものを選びましょう。柔らかいものは避けたほうがよいでしょう。真ん丸で模様がはっきりしているもの、かび臭くないものを選ぶのもポイントです。冷蔵庫では保存しないほうがよい野菜です。冷蔵庫に入れると低温障害を起こして傷みやすくなり、栄養価も落ちてしまいます。また、里芋についた土を洗い流して保存すると、乾燥して品質が低下します。土つきのままで新聞紙などにくるみ、冷暗所で保存するのが一番です。

里芋の毒素は加熱すると無くなるので、煮て食べることが基本です。カリウムが豊富ですが、カリウムには水に溶けだしてしまう性質があるので、洗ったら皮のままで蒸すのがおすすめです。加熱をしすぎると無賃が分解されてしまいます。カリウムには血圧を下げる働きがあり、同じ働きのある鶏むね肉などと一緒に調理することで、高血圧予防効果が増し、むくみ解消にも役立ちます。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

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