イシペディア > 食事学と医療の大辞典 > 食材の大事典 > お茶の栄養素分析 > 緑茶とウーロン茶のいいとこ取り「白茶(しろちゃ)」

緑茶とウーロン茶のいいとこ取り「白茶(しろちゃ)」 しろちゃ

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

白茶は若葉が芽吹き、白い産毛が生えた状態の茶葉だけを使用して作られます。白い産毛に包まれた茶葉だけを使うので白茶と呼ばれます。

一般的なお茶は揉捻(じゅうねん)という茶葉を揉んで乾燥させる工程により発酵を促しますが、白茶は揉捻をせず天日で自然に乾燥させて作られます。そのため、発酵度が弱い弱発酵茶に分類されます。

最上級の白茶は中国で生産されるお茶のうち、わずか0.1%ほどの生産量しかなく、希少価値が高いお茶といえます。3月下旬から4月上旬に芽吹く一番茶の新芽から作られる白茶が最も高級といわれています。

栄養素

白茶は原料や製造方法などから、緑茶と同等の栄養成分が含まれると考えられます。生の茶葉に含まれる代表的な成分カテキンの他、β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEなどビタミン類、ミネラルや食物繊維なども豊富に含んでいます。

カテキンには高い抗酸化作用があるとともに、コレステロール値の改善や動脈硬化、高血圧の予防など生活習慣病の予防にも効果があります。

また、カテキンには抗ウイルス作用があり、風邪やインフルエンザの予防に効果があるほか、カテキンの抗菌効果により虫歯や口臭予防の効果などもあります。

さらに、茶葉に多く含まれるアミノ酸の一種テアニンには中枢神経に作用して、脳の興奮を鎮め、精神を安定される効果もあります。テアニンはカフェインとともに抑うつ症状を改善し、集中力の持続や意欲の向上などの効果もあります。

白茶の主な栄養成分

不発酵の緑茶と半発酵のウーロン茶の間くらい(やや緑茶より)の栄養成分が含まれると考えられます。

・ビタミン類:β-カロテンビタミンB群ビタミンEビタミンK葉酸ビタミンC
ミネラル類:カリウムカルシウムマグネシウムマンガン
アミノ酸(テアニン)
・タンニン類(カテキンを含む)
・カフェイン

効能・効果

抗酸化作用:白茶に含まれるカテキンには高い抗酸化作用があり、細胞膜を酸化から守り、動脈効果や心臓病、脳血管障害などを予防します。
コレステロール値の改善:カテキンには血中のLDL(悪玉)コレステロール値を減少させ、HDL(善玉)コレステロールを増加させる働きがあります。
がんの予防:白茶に含まれるエピガロカテキンやエピガロカテキンガレートには強力な抗酸化作用があり、がん細胞の増殖を抑制すると期待されています。
食中毒の予防:カテキンには強い抗菌作用があり、食中毒を予防します。
抗ウイルス作用:白茶に含まれるテアフラビンには抗ウイルス作用があり、インフルエンザなどウイルスによる感染症を予防する効果があります。
リラックス効果:白茶に含まれるテアニンには神経の興奮を抑え、気分をリラックスさせる効果があります。

東洋医学的側面

・寒熱:涼(穏やかに体の熱を冷ます)
・昇降・収散・潤燥:湿(穏やかに体を温める)
・臓腑:肝・心・脾・肺
・五味:甘(補い滋養する作用)・苦(気を降ろす、固める作用)
・毒性:なし

体内の余分な熱やほてりを取ります。更年期障害の緩和にもつながります
全身の血流を改善します。冷えやむくみを改善します
胃腸の働きを活発にします
精神をリラックスさせる効果があります

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

茶さじ一杯(約2~3g)を人数分、急須に入れ2分ほど蒸らします。急須にお茶が残らないよう、最後の一滴まで注ぎ切りましょう。
白茶は最上級のお茶のため、適温は高めの65~70℃です。急須と湯のみはあらかじめ温めておくと、お茶の温度が下がらず風味が良くなります。
空気に触れると劣化が早まるため、使う分量を小分けして密閉できるポリ袋などに入れて冷暗所で保管します。冷蔵庫で保管する場合は、匂いが移らないようしっかり密閉しましょう。

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

関連するカテゴリ

おすすめ記事

関連する記事はこちら