イシペディア > 食事学と医療の大辞典 > 食材の大事典 > 香辛料の栄養素分析 > 辛いだけではない、炎症を抑える作用のある「花椒 (かしょう)」

辛いだけではない、炎症を抑える作用のある「花椒 (かしょう)」 かしょう

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

香辛料の一つに花椒と呼ばれるものがあります。この花椒は中華料理の香辛料として使われており、日本では麻婆豆腐でお馴染みだと思います。

花椒は中国名で、「ホアジャオ」と読みます。日本語では「かしょう」と呼ばれます。熟した花椒の赤い果皮が弾けて割れている様子が、まるで花が咲いているようだということから、「花椒」と呼ばれるようになりました。花椒の収穫は7月~9月と言われています。

四川料理の辛さを表す言葉に、「麻辣(マーラー)」というものがあります。「麻」は何かというと、花椒(フアジャオと呼ばれる)」のことでビリビリと舌がしびれるような辛さとのことを言います。ちなみに2文字目の「辣」というのが唐辛子の辛さのことです。

いかにも体に良さそうな花椒は、漢方の生薬としても古くから利用されています。

栄養素

花椒には、消化をすすめる健胃作用と殺菌作用があります。他にも精神安定や鎮痛にも効果があり、血圧を下げる効果もあります。

花椒に含まれている“しびれる”作用が鎮痛薬としても利用されたり、ホルモンのバランスを整えたり、皮膚表面の細菌も抑制する効果も期待されています。

成分としては、精油(リモネンやシトロネラル、グラニオール)、辛み成分(サンショオール、サンショアミド)、及び、タンニンなどが含まれています。

花椒の主な栄養成分(可食部100gあたり)

タンパク質・・・・・・・・・・8.9g
脂質・・・・・・・・・・・6.9g
炭水化物・・・・・・・・・68.9g
ナトリウム・・・・・・・・8㎎

効果・効能

消炎および鎮痛作用・麻酔効果:麻味(マーウェイ)と呼ばれている“しびれる”ような感覚が効果をもたらします。

ホルモンバランスの調整:子宮出血やおりものの治療に利用されます。

胃腸を整える:胃腸が冷えて起る腹痛や下痢の常用薬です。また、駆虫薬の原料になります。

東洋医学的側面

・寒熱:温(穏やかに体を温める)
・昇降・収散・潤燥:昇(気や熱を上昇させる)・
・臓腑:脾・胃・腎
・五味:辛(発散・気を巡らせる作用)
・毒性:なし、(生)小毒

お腹を温めむくみを改善します
消化不良や吐き気に有効です

栄養素を上手に摂るための保存方法と調理方法

花椒をホールで買った場合、花椒の美味しい部分というのは、果実の皮の部分なので、まずは不要なものを取り除いて下さい。
花椒を保存するには、密封出来る容器、または缶などに入れて冷蔵庫で保存し、使う都度に使う分だけを引いて使って下さい。1回分ずつを小袋に入れ冷凍しておいても大丈夫です。
最も多いのが麻婆豆腐ですが、調理中だけでなく仕上げに振りかけても香りを楽しむことが出来ます。また、炒め物に使用するコショウの代わりに花椒を使うと、一味違う“辛さ”を楽しめます。また、花椒と塩をまぜた“花椒塩”は、揚げ物などにつけるとよく合います。

 

 

【監修】 大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

この記事を書いた人

関連するカテゴリ

おすすめ記事

関連する記事はこちら