③ 前立腺がん 動物性脂肪、乳製品、肉や魚との関係

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【Dr.大友とDr.小池の対談動画はこちらをclick】

Dr.大友
渋谷セントラルクリニック エグゼクティブディレクター
前立腺がんと動物性の脂肪の関係についてお話を聞きたいと思います。学会でも割と話題になるのは、乳製品が前立腺がんを助長するっていうか、よくないって話があったり。その一方で関係ないって話もあると思うんですけれど。実際のところどうなんですか。

Dr.小池
JR東京総合病院 泌尿器科部長
仰る通りで健康に良いって報告もありますし、人によっては良くないというようなことも言われていますので。統一的な見解は僕は無いと思うんですね。

Dr.大友
なるほど。

Dr.小池
ただ敢えて摂った方がいいのかどうかって言うことに関しては、私個人の立場から言わして頂くと、そんなに意識的に摂る必要はないんじゃないかと考えてます。

Dr.大友
例えば60歳くらいの方で、ちょっとずつ、ちょっとずつPSAが上がっていく人って多分外来にいらっしゃいますよね。

Dr.小池
いますね。

Dr.大友
そういう人が先生にご相談した時に、どうでしょうか、私、骨粗鬆症のために牛乳飲んでるんですけどって言われたら。先生はどんな風なことを言うんですか。

Dr.小池
今までお話しした内容で牛乳が良い方向に働く人と悪く働く方向になる人もいるというお話をさせて頂きます。もし意識的に摂っているのであれば、そちらに関してはそこまで頑張らなくていいんじゃないかなって言うようなお話をさせて頂くと思いますね。

Dr.大友
なるほど。前立腺がんそのものはライフスタイルでちょっとずつ悪くなっていくけど、牛乳を積極的に摂る生活によって、もしかしたらPSAが上がってる可能性もあるからってことですね。

Dr.小池
そうですね。

Dr.大友
そうすると、ちょっと牛乳を止めてみて、PSAの値がどうなるかみたほうがいい。

Dr.小池
そうですね。止めてみてどうか。

Dr.大友
なるほど、なるほど。それはすごい面白いですね。

Dr.小池
はい。

Dr.大友
動物性の脂肪って、あと植物性の脂肪なわけですけど、動物性と言えばお肉だけじゃなくて、お魚もありますよね。

Dr.小池
そうですね。

Dr.大友
お魚、どうですか?

Dr.小池
お魚は基本的には肉の脂よりはいいと言われていますけれども、それを摂ったからといって前立腺がんのリスクが下がるかというようなことに関しては、一定の見解は無いみたいですね。

Dr.大友
一般的にはね。動物性の脂肪、お肉の脂肪(例えば牛肉とか豚肉とかのような赤いお肉)に関しては、オメガ6不飽和脂肪酸で、炎症を引き起こしますよとされていますね。お魚は、どちらかというと、オメガ3の不飽和脂肪酸でどちらかというと、慢性的な炎症を抑えるって話だと思うんですけど。
どっち、食べますか?って先生、言われたらどんな風に答えますか。

Dr.小池
肉は先ほどからお話している通り、やはり前立腺がんに悪く働くって分かっていますので。

Dr.大友
なるほど。

Dr.小池
どちらかを取ると言うならば、お魚の方を摂ったほうがいいかなという風にはお話できると思います。

Dr.大友
なるほど。

Dr.小池
はい。

Dr.大友
わかりました。ありがとうございます。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

小池祐介 JR東京総合病院泌尿器科部長
日本泌尿器科学会専門医指導医、泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本排尿機能学会認定医、がん治療認定医、日本臨床腎移植学会腎移植認定医

趣味は90年代洋楽ロック鑑賞となかなか上手くならないゴルフ

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