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妊娠でお腹の皮膚が広がるのはなぜ? マウス実験で解明

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朝日新聞デジタル 西川迅 2017年9月11日

妊娠期におなかの皮膚が広がる際の詳しい仕組みを、豊島文子・京都大教授(細胞生物学)らの研究グループがマウスの実験で明らかにした。

胎児の成長に伴い妊婦の腹部の皮膚は急速に広がるが、詳しい仕組みは分かっていなかった。豊島教授らのグループは、妊娠したマウスを使った実験で腹部の皮膚を構成する細胞の動きを詳しく観察。妊娠から12~16日後の細胞を分析すると、表皮の奥に高い増殖能力を持つ細胞集団が現れることがわかった。

この細胞は皮膚の表面の細胞を作り出す「表皮幹細胞」が変化してできる。妊娠していないマウスの腹部の皮膚には、この細胞が現れなかった。

別のマウスを使った実験で、皮膚が傷ついた際もこの細胞が現れて細胞増殖が進み、治癒が促されることも確認した。この細胞の働きを刺激するたんぱく質をマウスに注射すると傷を早く治せたという。豊島教授は「人間の皮膚も同じような仕組みが働いている可能性がある。けがの治癒を早めたり老化を防いだりする技術の開発をめざしたい」としている。

【DR大友の視点】

皮膚の問題は本人にしか分からない悩みだということに気が付いたのは自分が酒さという病気になってからです。恥ずかしながら、それまでは医師としては生き死にに関わる問題が重要だとばかり思っていました。

でもよく考えれば美容業界の市場規模というものはとても大きく、理美容市場規模(事業者売上高ベース)だけでも2兆1,575億円もあります。
これに化粧品や医療業界の美容治療まで含めるととんでもない市場です。
これだけ多くの人が興味を持って働いている市場となると、フェイクニュースのような情報も少なくないので利用者は正しい情報を探すのが難しい状況です。実際に医師であるDR大友も情報をどのように選択すればいいのかを真剣に悩みました。

このブログを始めたのもそれが理由の一つです。

① 間違えていない情報が偉いわけではない(医療系のニュースは得てして間違えていないけど使えないことが少なくないので。。)
② ライフスタイルを意識しなくても改善する魔法のクリームや治療はないこと

を主に伝えたいと思っています。

妊娠線の基礎研究は非常に素晴らしい報告だと思う一方で、実用していく上では妊婦さんの栄養状態なども組み合わせないと良い結果が得られないのではないかと考えています。どんなに素晴らしい物質を解明したとしても、治療を受ける個体の調子が悪ければ上手く働かないからです。

畑に置き換えて言えば、どんなに素晴らしい種だとしても、土壌や天候が悪ければよい作物が育たないのと同じです。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほどハリ治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

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