⑰ 肝臓がん 休肝日はどれくらい作るのが正解?

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Dr.大友(渋谷セントラルクリニック総院長) 
僕は痛み以外にもアンチエイジングも仕事なので、海外のアンチエイジングドクターの友達も結構居るんです。でもアメリカ人の先生にアルコールを飲んでると言うとクレージー扱いされちゃうんですが、その一方でヨーロッパの先生は一緒にワインを飲んだりって理解があります。
お酒をどのくらい許容できるのかとは、恐らく社会的な要素だったりもあると思うんですけども、肝臓専門医としてよく聞かれると思うんですが休肝日ってどれくらい取ったらいいの?肝臓のプロフェッショナルとしての視点でお答えください。

Dr.菰池 (たまちホームクリニック院長)
そうですね。一番簡単なお答えは週2回程度の休肝日と言うのは肝臓専門医からのまず一つの提言です。

Dr.大友
お勤めの方だと一般的に月曜日から金曜日があって土日休むみたいな形が多いと思うんですが、週末休む続けて休んだ方がいいんですか。

Dr.菰池
続けて休肝日をつくるのと一週間のうち二日分けて取るのとでは、一応これも臨床研究では差はないっていう結果になったそうなんです。

Dr.大友
それは肝臓のダメージに対してはあまり差がない

Dr.菰池
そうですね。

Dr.大友
一週間のアルコールの総量が大事ってことですか。

Dr.菰池
肝臓は再生能力がある臓器ですので一旦ダメージを受けてもまた元に戻る力があるので、二日休んでも分けて休んでも一週間後にはあまり変わらないっていうことなんですね。

Dr.大友
肝臓のダメージとしてはやっぱり一週間アルコールの量が重要ということですね。

Dr.菰池
はい。
先生はアンチエイジングがご専門で、そうしたアメリカの友人ドクターはやっぱりアルコールはだめって仰る方が多いっていう理由について聞いてみたいんですが。

Dr.大友
彼らは全てのがん10%~15%くらいはアルコールが関与しているわけだから、アルコールの量が多いというか、アルコールを飲むことがそもそもおかしいって発想だと思います。
予防医学という観点よりアンチエイジングの側面から言うと、アルコールを飲むと夜間に分泌される成長ホルモンが減るっていうのが一番の理由かなと思います。飲まない日に比べると70%くらい分泌量が減るっていう報告もあります。

Dr.菰池
成長ホルモンがですね。

Dr.大友
寝ている時に出る成長ホルモンの分泌量が劇的に減るという報告もありますから。でも連続飲酒を止めるとですねまたピュンと戻るんですね。
そういう観点からすると間に休肝日を入れた方がいいのかなと思います。例えば、週に一回水曜日に飲まなくて日曜日飲まないとかの方がいいのかな。

Dr.菰池
そうですね。

Dr.大友
肝臓は再生能力がすごいんでしょうけど、他の臓器は肝臓ほどは。

Dr.菰池
再生できないでしょうから。

Dr.大友
というのが良いのかなと個人的には思いますけど如何ですか。

Dr.菰池
そうしてみようかと思います。
でも、もともとそんなに飲まないですけどね。

Dr.大友
まず飲まないことが全て。飲まない方がいいっていうのが前提ですけど、人間の楽しみっていう部分とどういう風に共存していくのかってことは。

Dr.菰池
うん。大事なことですよね。人生HAPPYに生きるっていうのも大事ですからね。

Dr.大友
仰る通りですね。でも飲みすぎには気を付けて。γGTPがやっぱり正常より上がった段階でやっぱりそれは相当戒めなきゃいけないですよね。

Dr.菰池
そうですね。
仮に休肝日が週二回あるんだって仰る方でも、検診の結果で肝機能が悪いようだったら、それは足りないっていうことですので休肝日3、4日作っていただくことが大事です。

Dr.大友
それはずーっと飲んでいることによって肝臓の代謝が落ちていて、周りの方はその休肝日で大丈夫な方もいるかもしれないけど、そういう人は少なくともダメージを受け始めているということですね。

Dr.菰池
そうですね。人によってねダメージの出方っていうのはまちまちですので、その方その方に合った休肝日設定っていうのは大事ですよね。

Dr.大友
なるほど。アルコールは少なめに。
休肝日は肝臓だけのことを考えれば少なくとも週2回。アンチエイジング的な側面からすると分けて。水曜日と日曜日みたいに。分けてノンアルDAYを作って頂きたい
という理解でよろしいでしょうか。

Dr.菰池
はい。勉強になります。

Dr.大友
勉強になりました。ありがとうございます。

 

大友博之 渋谷セントラルクリニック エグゼクティブ ディレクター

日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本医師会認定産業医、国際抗加齢医学会専門医(WOSAAM)

免疫栄養学に基づいた食事指導、ホルモン補充療法、再生医療、運動療法を取り入れた新しい統合医療をベースにした診療で著名人にもファンが多い。最先端の西洋医学に通じている一方で、「鍼治療の魔術師」と呼ばれるほど鍼治療の名手で東洋医学にも造詣が深い。

またワインと健康食の愛好家しても名高く、ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュのワイン騎士団から名誉ある「シュバリエ」を叙任されているほか、料理芸術や食の楽しみといった価値感を共有する美食家が集う日本ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会の「オフィシエ」でもある。

菰池信彦 たまちホームクリニック院長

日本内科学会認定医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化管学会認定指導医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本ヘリコバクターピロリ学会認定感染症認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本カプセル内視鏡学会認定医、日本医師会認定産業医

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